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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

日本株3日続伸へ、米中通商懸念の後退で輸出セクター高い

更新日時
  • 中国が米製品の購入を大幅に増やすことで合意、共同声明を発表
  • 米10年債利回り3.06%に低下、保険や銀行株がTOPIX押し下げ
Pedestrians cross a road in the Shinjuku area of Tokyo, Japan, on Tuesday, May 23, 2017. Japan's consumer price index (CPI) for April will be released on May 26. Japan is scheduled to release Consumer Price Index (CPI) figures for April on May 26.
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

21日の東京株式相場は日経平均株価が3営業日続伸し、3カ月半ぶりに2万3000円を回復した。米国と中国の通商摩擦への過度な懸念が後退、為替の円安推移も好感され、機械など輸出株、化学やガラス・土石製品など素材株の一角が堅調だった。

  半面、米長期金利の低下で利ざや懸念が薄れた保険や銀行など金融株は終日安く、TOPIXは小幅ながら3日ぶりに反落した。

  日経平均株価の終値は前週末比72円01銭(0.3%)高の2万3002円37銭、2万3000円乗せは2月2日以来だ。TOPIXは1.50ポイント(0.1%)安の1813.75。

  三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之シニアストラテジストは、「米国が中国に要求を出し、中国が対抗措置を取る最悪のシナリオをマーケットは短期的に最も懸念していた」と指摘。中国が輸入を増やすことで譲歩し、「米国も目先は接点を探る動きになるはず。最悪のケースにはならないということで、短期的には安心感が出た」と言う。ただし、日経平均2万3000円の水準は「昨年秋以降の上値抵抗水準で累積売買代金が多い。政治、経済イベントが6月にかけて多数ある中、ここから上値は利益確定売りも出やすい」との見方も示した。

The First Trading Day Of The Year At The Tokyo Stock Exchange

東証アローズ

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米中両国はワシントンでの通商摩擦緩和のための協議を終え、中国が米製品の購入を大幅に増やすことで合意したとする共同声明を19日に発表した。協議に参加した中国の劉鶴副首相は、米中間の貿易戦争は回避されたと発言。2日間に及ぶ協議の結果、トランプ政権は今のところ中国製品に対し関税を賦課しないことをムニューシン米財務長官が明らかにした。

  アジア時間21日の米株指数先物は朝方から上昇し、きょうのドル・円は1ドル=111円30銭台と4カ月ぶりの円安水準に振れた。18日の日本株終値時点は110円85銭。アイザワ証券投資顧問室の三井郁男ファンドマネジャーは、「米国と中国のせめぎ合いは2カ国だけでなく、世界貿易全体の動きに対するリスクとなりかねないが、両国で落としどころを探る動きが出ていることは世界貿易の改善期待につながる」とみる。さらに、「現行の為替水準によるバッファーを考慮すれば、第1四半期業績の数字は悪いものが出てこないだろう」と予想する。

  TOPIXの1800ポイントに続き、週明けのこの日は日経平均が心理的節目の2万3000円を突破。しかし、買い一巡後は上値も重く、東証1部の売買代金は1カ月ぶりの低水準と盛り上がりを欠いた。東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、「米中で直ちに貿易戦争には入らないものの、現時点では最終的な交渉数字まで決定しているわけではない。継続協議とあって、米中間選挙までなお分からない部分が残る」と言う。上値を抑えた金融セクターの軟調については、「米国の景況感がいま一つの中、国内景気はマイナス成長下にある。米長期金利が低下すると金融株は買いにくい」と話した。

  18日の米10年債利回りは3.06%と5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下。米国株は、S&P500種株価指数のセクター別で金融が下落率トップだった。きょうの日本株市場では業績面も嫌気され、保険が下落率1位、銀行も下落率上位に並んだ。

  東証1部33業種はガラス・土石製品や機械、空運、情報・通信、サービス、化学、鉱業、証券・商品先物取引、非鉄金属など15業種が上昇。下落は保険やその他製品、海運、その他金融、鉄鋼、銀行、食料品など18業種。売買代金上位では、アナリストの強気見解が相次いだ東海カーボン、野村証券がソリューション企業への脱皮を評価したTDK、SMBC日興証券が目標株価を上げた旭硝子が高い。半面、モルガン・スタンレーMUFG証券が投資判断をイコールウエートに下げたアドバンテスト、19年3月期の純利益計画が市場予想を下回ったMS&ADインシュアランスグループホールディングスは安い。

  • 東証1部の売買高は12億9359万株、売買代金は2兆1284億円、代金は4月17日以来の少なさ
  • 値上がり銘柄数は1068、値下がりは933
    ドル・円は円安傾向強まる
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