Photographer: Akio Kon/Bloomberg

4月貿易収支2カ月連続黒字、予想上回る-自動車の対米輸出増加

更新日時
  • 貿易収支は前年同月比30.9%増の6260億円の黒字
  • 輸出は7.8%増の6兆8223億円、輸入は5.9%増の6兆1963億円

輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は、4月速報で2カ月連続の黒字となった。市場予想も上回った。財務省が21日発表した。

キーポイント

  • 貿易収支は前年同月比30.9%増の6260億円の黒字(ブルームバーグ調査の予想中央値は4400億円の黒字)-前月は7970億円の黒字
    • 2月の貿易収支は確報で従来の黒字から1億円の赤字に下方修正
  • 輸出は7.8%増(予想は8.7%増)の6兆8223億円と17カ月連続の増加-前月は2.1%増
  • 輸出数量指数は4.6%増と2カ月連続の増加
  • 輸入は5.9%増(予想は9.8%増)の6兆1963億円と2カ月ぶり増加-前月は0.6%減



背景

  世界経済の回復を受け、輸出は堅調に推移している。政府の月例経済報告は輸出について、15カ月連続で「持ち直している」との判断を維持。日本銀行は4月の展望リポートで輸出は「増加基調にある」と分析し、先行きも「海外経済の着実な成長を背景に、基調として緩やかな増加を続ける」との見方を示した。

  米国が導入した鉄鋼・アルミニウム関税を契機とした米中貿易問題は、輸出を回復のエンジンとする日本経済に影を落とす。同関税は日本も対象となり、除外を働き掛けてきたが、3月23日から適用されている。経済産業省は18日、対抗措置を準備していると世界貿易機関(WTO)に通知した。

  JFEホールディングスの林田英治社長は15日の報道各社とのインタビューで、日本製以外に代替品のない高級鋼板は持続的に注文があるとし、日本が直接的に大きな損害を受けることはないとの見方を示した。一方、中国などが報復的な政策を取った場合は「世界経済のスローダウンにつながり、非常にリスクはある」と述べた。

エコノミストの見方

  • 野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは、輸出が市場予想を下回ったことについて「グローバル景気の先行きに対して弱めの結果を示唆する」との見方を示した。4-6月に輸出が持ち直すという見通しに変化はないという。対米黒字の増加についてはトランプ政権の圧力が「引き続きリスク」と述べた。
  • 大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは、自動車と半導体等製造装置が回復するなど、1-3月期の輸出の減速が一時的だと確認できたと分析した。輸入も原油高を反映すれば、持ち直す可能性があるとみている。

詳細

  • 自動車輸出は15.3%増、米向けは10%増
    • 米国含め世界的に1500-2000ccのスポーツタイプ多目的車(SUV)中心に増加と財務省
  • 半導体等製造装置の輸出は18.2%増-中国向け液晶デバイス製造装置が伸びたと財務省
  • 船舶の輸出は38.3%、マルタ向けのタンカーが寄与と財務省
  • 対米黒字額は4.7%増-輸出4.3%増、輸入3.9%増
    • 米国向け鉄鋼の輸出は数量ベースで13.1%増、価格ベースで13.7%増
(エコノミストコメントを差し替え、詳細を追加しました.)
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