Photographer: Julie Keselman

高級レストラン、現金確保へなりふり構わず-店内であらゆる商品販売

Photographer: Julie Keselman

米ニューヨークのダウンタウンにあるカフェ「ラ・メルスリー」は今年に入って、レストランによる商品販売の既成概念を壊した。ロゴ入りTシャツなどをレジに陳列して販売する大衆チェーン店に対して、高級レストランは料理本を出版するなど、より洗練された商品販売を行っている。

  しかし、ラ・メルスリーは、ウォッシュドリネンのナプキン(4枚105ドル=約1万1200円)やビンテージグラス(98ドル)など、あらゆる商品を店内で販売する。食事スペース前の商品販売スペースには、皿や銀製食器、ベルベットのソファ、ダイニングテーブルなどが所狭しと並ぶ。

「ラ・メルスリー」ではあらゆる物に値札が付いている

出典:ラ・メルスリー

  レストランで商品販売が重要な役割を果たすラ・メルスリーのビジネスモデルは珍しくない。商品販売スペースを併設するレストラン「EATALY(イータリー)」も拡大を続けている。

  このトレンドを後押ししているのが経済的事情だ。レストランは新たな収入源を探しており、パック入りの生パスタであれ陶器の皿であれ商品が売れれば、利益の補てんやブランドの拡大、客足の増加に寄与する。

アトランタの「ガーデン&ガン・クラブ」ではエビフライだけでなく、サービングボードも購入可能

写真家:Amy Sinclair

  アトランタでオープンしたばかりのレストラン「ガーデン&ガン・クラブ」は、サービングボードなどの商品が入った小型の専用ギフトケースを提供している。

  ガーデン&ガン・マガジンのレベッカ・ダーウィン最高経営責任者(CEO)は「商品販売がガーデン&ガン・クラブの総売上高の約4%を占め、ブランド認知度や消費者のオンラインショップへのアクセスが高まることを期待している」と述べた。

ヒューストンの「ポンディチェリ」はレストラン業の未来が商品販売にあると予想

写真家:Kirby Trapolino

  ヒューストンに本店、ニューヨークに支店があるインドカフェ「ポンディチェリ」が7年前にオープンした時、販売していた商品は2点だけだった。現在は、最も売れ筋のスパイスに加え、食材キットやピクルスなど70点余りの商品を提供している。

  オーナーシェフのアニータ・ジェイシンガニ氏は「レストラン業界は厳しい。若い顧客は自分で調理したいので、商品販売というオプションは彼らのニーズに応じたものだ」と説明。今や商品販売スペースはレストランの2階を占め、ヒューストン店の年間売上高に占める割合は約9%に上る。

  ジェイシンガニ氏は「十分大きな数字だったため、商品販売スペースを倍増した」と指摘。「このビジネスは拡大する一方だ」と述べた。

原題:High-End Restaurants Are Turning to Retail to Bring in More Cash(抜粋)

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