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【日本株週間展望】上値重い、米金利高の悪影響懸念-円安や業績支え

  • 米国で住宅指標やFOMC議事録、「減速」「タカ派」有無が鍵
  • ドル・円は4カ月ぶり円安水準、米韓会談の結果が方向性左右も

5月4週(21ー25日)の日本株は上値の重い展開となりそうだ。相場の戻り局面が続き、短期過熱感が出やすい中、金利上昇ピッチの速さが米国の景気や株式に与える影響が懸念される。ただし、為替の円安推移から企業業績の上振れ期待は根強く、下値も限られる。

  米経済指標は21日に4月のシカゴ連銀全米活動指数、23日に新築住宅販売、24日は中古住宅販売が発表予定。エコノミスト予想は新築住宅が前月比2.2%減(前回4%増)、中古住宅は0.7%減(1.1%増)となっている。23日には5月1ー2日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表される。2011年以来の3.11%を付けた米長期金利の上昇傾向は、良好な米経済を示すとはいえ、住宅指標の鈍化やFOMCで当局者のタカ派的な見解が確認されれば、米国株は軟調な展開を強いられる可能性がある。

ニューヨーク証券取引所

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  海外投資家の買い戻しなどから日経平均株価は5月3週まで8週続伸、昨年11月までの9週続伸以来の連続上昇となっている。東証1部の上昇・下落銘柄の百分比を示す騰落レシオは過熱圏の120%以上に位置し、テクニカル分析上は一時期の売られ過ぎ状態は解消された。国内企業の決算発表も一巡、相場を動かす重要イベントに乏しく、上値を買う動きは出にくい現状だ。

  一方、為替は一時1ドル=111円台と4カ月ぶりの円安水準となっている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の調べによると、日経平均採用銘柄の今期想定為替レートは1ドル=107円。業績面では、採算改善による上振れ期待が高まりやすい。22日の米韓首脳会談で米朝会談への期待感が再び高まるようなら、リスク選好による一段の円安場面もありそうだ。国内では、21日に4月の貿易統計が発表される。第3週の日経平均は、週間で0.8%高の2万2930円36銭で終えた。

  • ≪市場関係者の見方≫

三菱UFJ国際投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジスト
  「米国景気はもともと弱くないところにトランプ減税の効果が顕在化し、明らかに強くなっている。その裏返しで米金利高が止まらない。債券市場はいったん方向性が出るとオーバーシュートしやすく、長期的には3%台半ばを付ける場面があろう。金利上昇分は米国株が売られやすく、日本株も頭を押さえられやすい。FOMC議事録は、実体経済への見方が強くなっているかどうかに注目する。金利見通しがアップサイドなら、金利のもう一段上昇はあり得る。ただし、良好な世界経済見通しや為替の円安から日本企業は今期5%前後の増益が見込まれ、バリュエーションの割安ゾーンが維持され、下値のポテンシャルも少ない」

SMBC信託銀行投資調査部の佐溝将司マーケットアナリスト
  「日経平均は2万3000円を挟み、上値は重い。引き続き米長期金利は3%付近で推移し、為替は1ドル=110円台を維持するとみられ、株価は上昇基調にあるが、戻り売りも出やすい。国内では決算発表が一巡し、大きな手掛かりがない中、市場の注目は米長期金利と為替動向。為替は、ドル高の背景にユーロ安が作用しており、欧州経済の持ち直しでドルの下押し圧力がかかりやすく、ドル・円は1ドル=110円あたりが上値とみることができる。FOMC議事録では、ドット・チャートで利上げ回数の年間4回がもう1人増えると、利上げを早めるスイッチになりかねず、株価下落を招きやすいことに注意が必要だ」

明治安田アセットマネジメントの杉山修司チーフストラテジスト
  「投資家の心理改善から上昇が予想される。米長期金利は過去30年間のダウントレンドの上値抵抗線3.2%に接近、グローバル投資家にとって魅力的な利回り水準まできたことで、かなりの勢いで投資資金が入る可能性がある。株価のバリュエーションを抑える米長期金利の上昇が止まることで欧米を含めた株式市場への資金流入が予想される中、日本株だけが弱くなることは考えづらい。ただ、米中貿易戦争による貿易量の落ち込み懸念の後退から急反発しているばら積み船の国際運賃指標、バルチック・ドライ指数が足元で急反落していることは気掛かり」

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