Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米銀行監督当局:新資本バッファー発動、現在検討不要と判断

  • ブレイナードFRB理事や一部連銀総裁は発動の検討呼び掛け
  • カウンターシクリカル資本バッファー、米国での発動例なし

資産価格や信用ブームに過熱のリスクがあると判断された場合、突然の情勢悪化に備えて大手銀行の資本強化を図るカウンターシクリカル資本バッファーについて、米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事や一部の地区連銀総裁からは、発動の検討を呼び掛ける声が上がっている。

  実際に発動されれば、ウォール街の銀行に新たに何十億ドルもの資本上積みを求めることになる。だが、銀行監督当局の間の協議に詳しい複数の関係者によれば、この件を担当する当局のスタッフはこれまでのところ、検討の必要性を認識するには至っていない。

  同資本バッファーは2013年にFRBと通貨監督庁(OCC)、連邦預金保険公社(FDIC)が新設した。他国にも同様の仕組みがあるが、米国では一度も発動されたことがない。たとえ短期間でも発動されれば、トランプ米政権下の銀行規制緩和の流れに逆行することになる。

  協議が非公開であることを理由に匿名で語った関係者の話では、FRBなどのスタッフは現時点のリスクについて、同資本バッファーの活用を正当化するには程遠いと判断。ただし、将来的な判断見直しにつながるような新たな経済的要因は議論したという。

  ブレイナード理事は4月3日の講演で、「循環的な圧力が高まり続け、金融の脆弱(ぜいじゃく)性が拡大すれば、最大手の金融機関にカウンターシクリカルな資本バッファーの構築を求め、回復力を強化してストレスから自行を守るようにさせるのが適切となるかもしれない」と語っていた。

  カンザスシティー連銀のジョージ総裁とボストン連銀のローゼングレン総裁、ダラス連銀のカプラン総裁も最近、同様の発言を行っている。しかし、同バッファー発動を巡り決定権を持つのはFRB理事(定員7人中4人欠員)で、パウエル議長とクオールズ副議長(銀行監督担当)がブレイナード理事の見解を共有するかは不明だ。

原題:Fed Is Said to Resist Adding Capital Demand for Biggest Banks(抜粋)

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