Photographer: Jacob Kepler

米住宅ローンの借り手リスクを移転、債券市場に忍び寄る危険

  • 信用リスク移転証券の市場規模は500億ドル-サブプライムに及ばず
  • 「ゆでガエル」のように気付いた時には遅いと指摘する声も
Photographer: Jacob Kepler

リスクが高めの米住宅ローンが再び、債券市場に静かに浸透しつつある。

  問題のローンに、金融システムを約10年前に崩壊寸前に陥れたサブプライム(信用力の低い個人向け)ローンほどの危険さはない。それでも、信用度が低めで所得に対する債務割合が比較的高い消費者への提供が進んでおり、住宅市場が軟化し、失業率が上がり始めれば、こうした住宅ローンを組み込んだ証券の投資家は値下がりに見舞われるかもしれないとの運用担当者の警告が聞こえる。

  ジャナス・ヘンダーソン・グループの証券化商品責任者、ジョン・カーシュナー氏は現状を「ゆでガエル」に例え、「まずい事態だと気付くときは、熱し続けられた後だ」と述べた。

Risky Business

Consumers have more debt relative to their income in recent CRT deals

Source: DBRS, Kroll Bond Rating Agency

Note: DTIs are based on low-LTV borrowers in series with two loan groups

  リスクが高めの住宅ローンに関連する債券は、信用リスク移転(CRT)証券と呼ばれる。対象ローンに政府保証は付いていないが、借り手は前払いの要件も含めファニーメイ (連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)が定める最低基準を満たしている。借り手のデフォルト(債務不履行)リスクが証券に組み込まれるわけだが、その借り手の信用力は需要と金融機関の引き受け次第で低下することがあり得る。

  CRT証券の市場は現在500億ドル(約5兆5100億円)前後相当と、米国の40兆ドル規模の債券市場のほんの一部を占めるにすぎない。それでも借り手の信用の質が低下し続ければ債券市場に響くとカーシュナー氏は述べた。また、住宅ローン関連証券の条件を緩め過ぎれば、サブプライム住宅ローン危機時のような汚点を与え、潜在的な買い手を市場から遠ざけるとも指摘した。

原題:Hot U.S. Housing Bonds Getting Riskier as Investors Pile In (1)(抜粋)

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