スルガ銀は「第三者委員会」設置、シェアハウス問題で中村直人弁護士ら

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  • 役員の経営責任について厳しく対応-調査結果や金融庁検査踏まえて
  • 融資残高は2036億円、引当金の積み増しはないとは言いきれない
A man talks on his mobile phone outside of a branch of the Suruga Bank in Tokyo. Photographer: ROBERT GILHOOLY/Bloomberg
Photographer: ROBERT GILHOOLY/Bloomberg

シェアハウス投資家への融資問題でスルガ銀行は15日、相当数の社員が通帳偽造を含む不正を認識していたことを明らかにした。中立・公正な弁護士らの専門家で構成される「第三者委員会」を新設して事実関係を究明する。

  女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」は個人投資家らがスルガ銀などから資金を借りて建設した。スルガ銀は、個人が融資を受けるに際して自己資金残高を証明する通帳の偽造や改ざんがあり、より多くの融資のために金額を水増しした契約書を作成する二重契約などもあったと発表した。そしてこうした不正について「相当数の社員が認識していた可能性が認められた」とも明らかにした。 

  米山明広社長はこの日、本店がある静岡県沼津市内での決算会見の冒頭で「株主、たくさんのステークホルダーにご迷惑をかけ、申し訳ない」と陳謝した。改ざんでは「役員の関与は確認できていない」としながら「調査は第三者委に委ねたい」と述べた。同時にシェアハウス問題は事業の一部として「リテール縮小は考えていない」と語った。自身の経営責任について「当然感じる」とした上で「外部の調査を受けた対策をきちんとした上で次に引き継ぐのが我々の責任」と述べた。辞任については原因究明が最優先として「現時点でそこまで考えていない」とした。

  全容解明に向けて設置される委員会は中村直人氏、仁科秀隆氏ら4人の弁護士が委員で、調査範囲や調査完了時期を一任されている。この委員会についてスルガ銀は、日本弁護士連合会の「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠しているとして、全面的に協力して調査が終了次第、速やかに結果を公表するとしている。この結果や金融庁の検査結果を踏まえ、役員の経営責任について厳しく対応する。シェアハウス案件での融資残高は1258人に対して2036億円が3月末であった。

今期19%増益

  スルガ銀が15日発表した今期(2019年3月期)連結純利益予想は250億円と前期(211億円)比で19%増加する。前期純利益については8日、その前の期に比べて51%減の210億円になったもようだと発表していた。シェアハウス関連融資などで貸倒引当金を積み増し、与信費用が増加したとしていた。今期業績をめぐっては八木健取締役が「今後の引当金の積み増しはないとは言いきれない」と言っている。

  「かぼちゃの馬車」は転貸会社スマートデイズが運営していた。しかし個人に賃料が払われない問題が相次いだ。投資家らの支援弁護団によると、入手した13人分の提出書類がすべて改ざんされていた上、行員と不動産販売会社の会話とされる録音で偽業者を紹介するなどずさんな融資に関与した疑いがあるとしている。スマートデイズは4月に経営破綻した。

  シェアハウス融資問題を受け、金融庁は4月に立ち入り検査を実施、行政処分を視野に実態解明を急いでいる。

  1月下旬辺りからシェアハウス問題が取り沙汰されてスルガ銀株は下落基調になった。2000円台半ばだった株価は4月19日には1200円まで下落、5年超ぶりの安値を付けた。15日の株価終値は前日比37円(2.5%)高の1509円。

(第4段落に役員の経営責任について追加して更新します.)
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