Photographer: Tomohiro Ohsumi

シャープ傘下のカンタツ、スマホ減速でもレンズ需要は拡大と期待

  • 12メガ以上の高価格帯にシフトへ、IPOにも意欲-阿久津社長
  • 昨年10-12月の世界スマホ市場、8.5%減の3億9300万台-調査会社

スマホ向けカメラレンズ大手のカンタツ(栃木県矢板市)は、世界のスマートフォン市場が減速する中でも、同社のレンズ需要は拡大すると期待している。スマホの開発競争自体は激化し、得意とする高機能カメラ用レンズの需要が増えるとみているためだ。

阿久津肇寿社長

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  カンタツはシャープが3月に子会社化。台湾の鴻海精密工業の孫会社という位置づけとなった。阿久津肇寿社長は8日、福島県須賀川市の須賀川工場でブルームバーグのインタビューに応じ、高機能レンズを武器にシェア拡大を目指す方針を示した。数年内の新規株式公開(IPO)にも意欲を見せた。

  カンタツは米アップルと中国の華為技術(ファーウェイ)を2大顧客に持つ。スマホ向けレンズ世界シェアは現在4%程度に過ぎないが、阿久津社長は今後はコスト競争に陥らない12メガピクセル以上の高価格帯への生産シフトを表明。2018年度は1億4000万台を販売し、世界シェア10%程度を確保したい考えを明らかにした。

  カンタツを孫会社とする鴻海にとって、カンタツの高いレンズ関連技術は、スマホの雄であり主要顧客でもあるアップルの「iPhone(アイフォーン)」向けも含め、受注拡大を狙う切り札になる。また、スマホの開発競争で市場全体に広がるデュアルレンズなど高機能カメラ向けの需要を取り込むこともできる。

アップルの「セカンドベンダー」

  調査会社IDCによると、17年10-12月期の世界のスマホ出荷台数は、前年同期比8.5%減の3億9300万台。これまでほぼ一貫して伸び続けてきた世界のスマホ市場は踊り場を迎えている。

カンタツ・須賀川工場での研究開発風景

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  iPhone向けカメラレンズの最大の供給メーカーは台湾のラーガンだが、阿久津社長によると、カンタツも5年ほど前からアップル向けに供給を開始、技術力を背景に「セカンドベンダーとしての指定席」を獲得するに至った。来年にかけ中国2工場で6枚内蔵のレンズユニットの月産能力増強に乗り出す計画も示した。

  ブルームバーグ・インテリジェンスアナリストのサイモン・チャン氏は、鴻海がカンタツをグループに統合させるような動きに関連して、スマホ用部品を内製化できればマージンは高くなり、組み立てもよりスムーズになるなどと指摘した。

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