Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本株4日ぶり小反落、株主還元前向きか否か-菱地所など不動産安い

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  • 目先過熱感も重し、利益期待以下のリクルトHや鹿島も売られる
  • 円安推移や米中通商懸念の緩和支え、自社株買いの三井住友F高い
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

15日の東京株式相場は4営業日ぶりに小反落。企業の株主還元姿勢で明暗が分かれ、自社株買いに慎重とみられた三菱地所など不動産株が業種別下落率トップ。利益計画が市場予想を下回ったリクルートホールディングスなどサービス株、鹿島など建設株も安い。騰落レシオの高止まりなど短期過熱感も重し。

  半面、前期増配と自社株買いを行う三井住友フィナンシャルグループなど銀行株は高く、今期増益計画と自社株買いを受けたグンゼなど繊維株も上げた。米国長期金利の上昇を背景にした為替のドル高・円安、米中貿易摩擦の緩和に向けた動きも相場の下支え要因となった。

  TOPIXの終値は前日比0.77ポイント(0.04%)安の1805.15、日経平均株価は47円84銭(0.2%)安の2万2818円02銭。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジストは、「米国をはじめグローバルに株主還元やM&Aがブームとなっており、日本も業績に加え、株式市場では同じものが要求されている」と指摘。また、企業の決算発表も一巡し、米朝首脳会談と米中通商問題の行方に目が向く中、「米朝は緊張緩和に向かい、米中も互いが歩み寄り姿勢にあるものの、双方とも確実に収束するとの確認ができるまで上値は重い」との見方も示した。

株価ボード前の歩行者(イメージ)

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  この日の日本株は、為替の円安推移や米中通商問題の懸念後退から小幅に続伸してスタート。トランプ米大統領は、米政府の制裁で苦境に立った中国の通信機器メーカーの中興通訊(ZTE)を巡り救済策を模索する意向を示し、中国側は劉鶴副首相が15日から訪米、ムニューシン米財務長官と通商問題を協議することが決まった。

  14日の米10年債利回りは3ベーシスポイント上昇の3.001%、ドル・円は一時1ドル=109円90銭台と日本株の前日終値時点109円37銭からドル高・円安に振れた。

  ただし、東証1部の上昇・下落銘柄の百分比を示す騰落レシオは120%以上で高止まりするなど、目先過熱への警戒で朝方の買い一巡後の日経平均は徐々にマイナス圏での推移が増え、TOPIXも午後終盤にかけ下げに転じた。証券ジャパンの大谷正之調査情報部長は、「決算が一巡し、個別銘柄を物色する中で過熱感が出始めており、利益確定の売りをこなしながらの展開」と言う。日経平均は心理的節目の2万3000円に近づき、「利益確定売りも出やすく、1月中旬の高値で買った投資家の戻り待ちの売りが出ている」とも話した。

  業種別では、株主還元姿勢に積極的かどうかで値動きが明暗を分けた。不動産株は、菱地所が5%以上下げる大幅安。期待された自社株買いの発表がなく、ドイツ証券が失望売りの可能性に言及したほか、SMBC日興証券も株主還元策に特段の変化は見られないと指摘した。前日に自社株買いを材料に急騰した三井不動産が反落するなど、売り圧力も出やすかった。これに対し、前期増配と700億円を上限にした自社株買い・消却が好感された三井住友Fなど銀行株は高い。

  東証1部33業種は不動産、サービス、証券・商品先物取引、建設、化学、その他金融、医薬品など16業種が下落。上昇は繊維、銀行、精密機器、石油・石炭製品、金属製品、保険、鉄鋼など17業種。売買代金上位では連続減益計画の江崎グリコ、第1四半期決算で受注が想定以下とゴールドマン・サックス証券が懸念視したTHKが安い。SMBC日興証券が今期増益計画を評価したアイフル、みずほ証券が投資判断を「買い」に上げた明治ホールディングスは高い。

  • 東証1部の売買高は17億3046万株、売買代金は2兆7419億円
  • 値上がり銘柄数は994、値下がりは1007
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