ヘッジファンドは原油上昇に慎重姿勢維持-米の対イラン制裁再開でも

  • 米指標原油WTIの買越残高は4カ月ぶり低水準-CFTC
  • トランプ米大統領は8日、核合意離脱と対イラン制裁の再開を発表

トランプ米大統領のイラン経済制裁再開への動きは、資産運用会社による原油価格上昇予想につながることはなかったようだ。資産運用会社は、米国による対イラン制裁の再開発表を控えた週に原油の買い越しを減らしていた。

  トランプ大統領は8日、米国がイラン核合意を離脱し、石油輸出国機構(OPEC)3位の産油国であるイランに対する経済制裁を再開するとの声明を発表した。制裁再開を見込んで原油価格はいったん3年ぶりの高値に上昇したが、その後の週内は非常に小幅な動きにとどまった。価格が安定する中、ヘッジファンドによる買越残高は4カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。

  トランプ大統領の決定は、OPECによる減産とベネズエラからの供給減によって需給が引き締まっている原油市場の逼迫(ひっぱく)につながりかねないものの、米国のリグ(掘削装置)稼働数の増加などの要因が原油価格の大幅な上昇を抑制する可能性もある。

  ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ(マサチューセッツ州)のマイケル・リンチ社長は、「原油市場を弱気方向に向かわせるかもしれない二つの要因は、サウジアラビアかクウェートがイラン産原油の供給減少分を補う方針を表明するか、欧州の主要な原油購入企業がトランプ大統領の決定を無視しイラン産原油の購入を続ける方針を示すかだ」指摘した。

  米商品先物取引委員会(CFTC)によれば、ヘッジファンドによるウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油の先物とオプションの買越残高は8日終了週に1.8%減少し41万608枚。買いポジションが1万4535枚、売りポジションは7096枚、それぞれ減少した。
  
原題:No Trump Bump on Iran as Hedge Funds Stay Cautious on Oil Boost(抜粋)

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