ドル・円は109円台前半、米金利低下が上値抑制も株高が下支え

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  • CPI予想下回り米利上げペース加速の思惑が後退
  • リスクオンの状況の中、110円を見に行く方向感変わらない-ドイツ証

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=109円台前半。米利上げペース加速の思惑が前日の物価指標を受けて後退する中、米金利低下が上値を抑えた一方、堅調な株価が相場の下支えとなった。

  11日午後3時46分現在のドル・円は前日比0.1%安の109円32銭。日本株が上昇基調を強める中、仲値公示にかけて日中の高値109円57銭を付けた。その後は109円20銭まで一旦下落したものの、ドル買いが再び強まり109円台半ばまで戻す場面があった。

  ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは、「4月中旬以降、米金利が上昇する中で新興国市場への警戒などが出ていたが、米雇用統計の賃金や昨日の米消費者物価指数(CPI)が予想を下回り、米金利が低下したことで、こうした状況が少し落ち着いてきている」と指摘。材料がないとドル・円の上昇に弾みはつかないが、全般的なリスクオンの状況の中、「キャリー相場の観点から下値が堅く、110円を見に行く方向感は変わらないだろう」と話した。

  11日の東京株式相場は続伸。米国のインフレ加速への懸念が後退する中、引けにかけて上げ幅を拡大した。前日の米国株市場では、米CPIが市場予想を下回る伸びとなったことを受け、金融当局による利上げペース加速への懸念が後退し、金利敏感株などが買われ上昇した。この日のアジア時間の米国債10年物利回りは前日比1ベーシスポイント(bp)低下の2.95%程度で推移している。
 
  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、ドル・円について、テクニカル的には週足で6週連続陽線と「一方的に買われ過ぎ」であり、米CPIはスピード調整の口実に使われている感があると指摘。実際、CPIは6月の米利上げが中断されるような内容ではなく、需給的にはドル・円が下がれば機関投資家など実需のドル買いが出てくると話した。

   ユーロ・ドルは0.1%安の1ユーロ=1.1898ドル。海外時間にドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の講演を控えて小動きだった。ポンド・ドルも英利上げ観測の後退を背景とした下落に一服感が広がる中、1ポンド=1.35ドル台前半でもみ合った。

  イタリアのポピュリスト2政党は10日、連立の計画を取りまとめる時間として、14日までの猶予をマッタレッラ大統領に求めた。ノムラ・インターナショナルシニアFXストラテジストの後藤祐二郎氏(ロンドン在勤)はユーロについて、イタリアの政情を巡っては選挙になるのか政権樹立かで「ヘッドラインリスク」があり得るとし、「多少週明けのボラティリティ-を生むというところでは一応注意」と指摘していた。

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