Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

ドル高懸念の世界に別の通貨も悩みの種-新興国資産に影響も

  • 中国人民元の下落、新興国経済への下押し圧力を強める恐れ
  • 投資よりも消費を支えるには、人民元の上昇が必要-レデカー氏

為替市場での変化の嵐が、世界の投資トレンドを一段とコース外に吹き飛ばす恐れがある。その風は西側からと同じくらい、東側からも吹いている。

  投資家はドルと米国債利回りの上昇に注目しているが、中国人民元相場の軟化も、既に年初来の上昇を帳消しにした新興国資産への圧力を高めかねない。モルガン・スタンレーは、人民元の上昇基調が一服すると、新興諸国は貿易面で中国に対する競争力が低下するという課題を突き付けられると説明した。

  同行のチーフグローバル為替ストラテジスト、ハンス・レデカー氏(ロンドン在勤)は「ベストな組み合わせは人民元高とドル安だ」と述べ、「輸出と資金調達が同時に楽になる」と語った。

  昨年の貿易加重ベースの元高は、世界の市場で中国同様の商品やサービスを提供する、特に東南アジア諸国の競争力を押し上げた。一方でドル安は、現地通貨ベースでの海外債務の返済負担を和らげた。
  
  人民元は1-3月に四半期ベースとしては10年ぶりの上昇率を記録したが、ドルの反発に伴って4月に入って以降は約1.2%下落。だが、新興国市場の強気派にはまだ望みがある。レデカー氏はドルの最近の反発は弱気相場における循環的な動きであり、中国当局は人民元高の基調を転換させるのではなく、いったん停止させる公算が大きいと分析。「投資よりも消費を支えるには、人民元の上昇が必要だ」と語った。

原題:Dollar-Plagued World Now Has Another Currency to Worry About (2)(抜粋)

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