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Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日本株3カ月ぶり高値、米物価安定で「適温」持続期待-輸出中心高い

更新日時
  • 米国のコアCPIは昨年11月来の低い伸び、S&P500指数は続伸
  • 米朝首脳会談は6月12日にシンガポール、融和ムードでリスク選好に
A man looks at screens displaying stock indices at the Tokyo Stock Exchange (TSE), operated by Japan Exchange Group Inc. (JPX), in Tokyo, Japan, on Friday, Feb. 9, 2018. The Topix index headed for its worst week in two years following a meltdown in U.S. equities amid concern rising interest rates will damp economic growth.
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

11日の東京株式相場は続伸し、3カ月ぶりの高値。米国で物価の伸びが鈍く、インフレや米利上げ加速への警戒感が薄れ、株高と金利安定が共存する適温相場の持続を見込む買いが入った。為替の安定もあり、電機や機械など輸出株中心に上昇。情報・通信や建設など内需株も高い。

  TOPIXの終値は前日比17.34ポイント(1%)高の1794.96、日経平均株価は261円30銭(1.2%)高の2万2758円48銭。TOPIXは2月5日、日経平均は同2日以来の高値水準を回復。

  三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、「米国は物価安定と緩やかな利上げに支えられ、景気回復が持続するとみており、為替のドル高・円安が製造業の今期業績に寄与する」と予測。きょうは、今後の海外投資家の日本株買いを期待する買いが前倒しで入ったとみるほか、米朝首脳会談の日程が判明し、「北朝鮮リスクが弱まったこともリスクオンの株高や円安要因」とも話した。

Tokyo Stock Exchange As Asian Stocks Rebound After Korean Fears Abate

東証外観

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  米国で10日に発表された4月の消費者物価指数(CPI)は、食品とエネルギーを除くコアCPIが前月比0.1%上昇と市場予想の0.2%上昇を下回り、2017年11月以来の小幅な伸びとなった。金融当局の過剰な利上げ懸念が後退し、米S&P500種株価指数は0.9%高の2723.07と続伸、約2カ月ぶり高値を付けた。

  また、トランプ米大統領は10日のツイッターで、6月12日にシンガポールで北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と会談することを明らかにした。

  週末の日本株は、流動性相場の継続期待や米朝融和を好感する買いで朝方から上昇。ドル・円は一時1ドル=109円20銭と110円に乗せた前日に比べ円が強含む場面もあったが、その後円高の勢いは限られ、プラスに寄与した。午後はTOPIX、日経平均とも一段高。みずほ証券の倉持靖彦投資情報部長は、米CPIでは「足元の物価安定を確認し、『適温経済』的な傾向が残った」と指摘。ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは米朝首脳会談の決定に言及、「地理的に近い日本にメリットは大きく、仮に拉致問題が解決に向け動きだせば、支持率回復などを通じ政治安定を評価した海外勢の買いにつながる」との見方を示した。

  三井住友アセットの調査では、主要224社の今期経常利益予想(金融除く)は8.8%増。みずほ証の倉持氏は、今期の想定為替レートを公表した企業の平均値は1ドル=106円20銭だとし、「会社側の慎重な見通しと比べ円安方向に動いており、今後は業績の上方修正期待も広がってきそう」と言う。

  東証1部33業種は精密機器、パルプ・紙、機械、電機、建設、情報・通信、小売、海運など29業種が上昇。下落は鉱業、石油・石炭製品、ゴム製品、繊維の4業種。売買代金上位では、前期営業利益の上振れと野村証券が完成車メーカーのトップピックに上げたスズキ、今期増益計画と自社株買いが材料のKDDIが高い。みずほ証券が投資判断を買いに上げた太陽誘電は急騰した。半面、今期純利益計画が市場予想から下振れた国際石油開発帝石、1ー3月期が営業減益の楽天、今期は4割を超す営業減益計画のディー・エヌ・エーは安い。

  この日の取引開始時は株価指数オプション5月限の特別清算値(SQ)算出で、日経平均型はブルームバーグの試算で2万2621円77銭、前日終値を124円59銭上回った。

  • 東証1部の売買高は16億6275万株、売買代金は2兆9302億円、SQの影響で代金は前日から11%増えた
  • 値上がり銘柄数は1325、値下がり696
TOPIXの推移
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