【個別銘柄】三菱自や昭電工高い、東レやシスメクス安い、古河電急落

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  • 三菱自は収益成長の本格化を評価、昭電工は需給ひっ迫長期化の見方
  • 東レやシスメクス、古河電工は今期営業利益計画が市場予想を下回る

10日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  三菱自動車(7211):前日比9.4%高の858円。2019年3月期営業利益計画は前期比12%増の1100億円、販売台数は125万台(前期110万台)を見込む。同時に発行済み株式総数の0.12%、18億円上限に自己株取得も発表した。SMBC日興証券は、台数増を背景に収益成長が本格軌道に乗ったことを示した好決算と評価。営業利益計画は中期経営計画目標(20年3月期1500億円)へ向けて安心感のある水準とみる。

  トヨタ自動車(7203):2.3%高の7592円と続伸。9日発表した決算と同説明会を受け野村証券は、原価低減を徹底し次世代技術に積極投資する経営への意思が表れた決算、ポジティブな印象と評価。目標株価を8500円から9300円に上げ、投資判断「買い」を継続した。ゴールドマン・サックス証券もまた、販売台数成長に力強さはないが、先行投資負担をこなす中でも原価低減で利益を確保するスタンスにトヨタらしさがあると指摘。トヨタが取引時間中に発表した19年3月期営業利益計画は前期比4.2%減の2兆3000億円、原価低減効果を見込むが為替のマイナス影響が出る。

  昭和電工(4004):5.2%高の4255円。18年12月期営業利益計画を1100億円から前期比76%増の1370億円に9日に上方修正、市場予想1285億円を上回った。みずほ証券では第1四半期は電極の採算改善と化学品の安定拡大などを確認した好決算と評価、電極の需給ひっ迫は最短でも21年まで継続と予想した。通期営業利益予想は上方修正されたが、かなり保守的な水準との印象としている。

  東レ(3402):5.2%安の943円。10日午後発表の19年3月期営業利益計画は1650億円と、市場予想1785億円を下回った。炭素繊維複合材料事業の営業利益は前期比18%減の170億円の見込み。18年3月期はその前の期に比べて6.5%増の1565億円だった。

  シスメックス(6869):5.9%安の8950円。19年3月期営業利益計画は前期比4.9%増の620億円。野村証券では計画は同証予想660億円を下回る、会社為替前提は対ドル110円と同証予想前提105円などに比べ円安だが、利益が低調な理由は販売管理費の増加と分析。ソフトウエアの開発などに伴う減価償却費の総額は前期146億円から170億円へ増える予定、過去10年の業績で事業を買収した年度以外に同社の販管費が前年比14%増となった期は一度もないとした。

  古河電気工業(5801):9.8%安の4815円。19年3月期営業利益計画は前期比4%減の430億円で市場予想504億円も下回った。SMBC日興証券は、同証予想の496億円や市場予想を大きく下回ったと指摘、数字自体だけでなく電力事業の赤字継続はネガティブな印象で、同証予想との差異は電力ケーブルの赤字拡大と分析した。中長期的には光関連事業が全社収益をけん引すると予想するが、足元は需要の端境期、不採算事業の取捨選択など構造改革の深化が必要との見方を示した。

  カカクコム(2371):11%高の2255円。18年3月期営業利益はその前の期に比べて6.7%増の229億円、今期計画は10%増の252億円と10日午前に発表。野村証券では前期は同証予想を上回った良好な決算、業績の回復基調が明確にみえつつありポジティブと評価。今期計画は同証予想268億円を下回ったものの、「価格.com」のショッピングを中心とした回復基調の収益、「食べログ」の店舗課金を中心とした増収率の加速などからアップサイドが残されているとした。

  IHI(7013):6.1%高の3930円。19年3月期営業利益計画は前期比18%増の850億円。ジェフリーズ証券ではバイサイドの営業利益計画コンセンサスは700億-800億円あたりと同証では察知、今期営業利益計画は投資家の期待値を上回った公算が大きいとした。会社側は今期に約110億円のバッファを見込んでおり、今後の四半期で想定外のコスト発生に対応できようと予想した。

  オリックス(8591):1.6%安の1950.5円。18年3月期純利益は前の期比15%増の3131億円。SMBC日興証券では市場予想の3107億円を若干上回ったが、税費用が主因でサプライズはないとしたほか、事業投資や海外の資産が順調に拡大しているとはいえ、全セグメントの資産成長率が0.7%増にとどまった点に懸念を示した。また、同証では450億円を想定していた注目の自社株買い枠の公表が見送られ、19年3月期の純利益計画も未公表、上期配当30円の公表のみにとどまった点は市場コミュニケーションの観点からネガティブとした。

  堀場製作所(6856):14%高の9310円。1ー3月期の営業利益は、半導体システム機器部門を中心に販売が伸び、前年同期比49%増の91億9900万円、18年12月通期計画を290億円から前期比27%増の340億円に上方修正した。みずほ証券では事前の半導体製造装置各社の良好な決算から好スタートはある程度予想していたが、実績、見通しともに想定に比べ良好と指摘。半導体機器の好調ぶりが顕著で、修正後の通期利益計画も半導体機器や自動車計測機器を中心に依然上振れ余地が残る印象とした。

  サントリー食品インターナショナル(2587):5.7%安の4950円。1-3月期営業利益は前年同期比27%増の266億円。ゴールドマン・サックス証券では第1四半期営業利益は為替要因の特別利益(116億円)があっても同証予想274億円を下回ると分析。実質減益は国内、欧州、アジアの主要3地域、それぞれ要因は異なるが、競争激化、規制強化、コストアップなど第2四半期以降の懸念が払しょくできないものが多く事業環境は楽観できないとみる。

  バンダイナムコホールディングス(7832):8.6%高の4095円。18年3月期営業利益は、スマートフォン向けゲームなどネットワークコンテンツ、家庭用ゲームが国内外で好調に推移し、前の期比19%高の750億円。今期は新中期経営計画に伴う戦略投資の推進などで20%減の600億円の見込み。SMBC日興証券では実績は同証予想の638億円、市場コンセンサスの613億円から大きく上振れ、家庭用ゲームソフトのリピートセールスが想定以上に好調だったと分析、今期計画も上振れ余地が大きいと指摘した。

  三越伊勢丹ホールディングス(3099):9.4%高の1322円。19年3月期営業利益計画は前期比19%増の290億円と市場予想254億円を上回った。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、営業利益ガイダンスはコンセンサスや同証予想を上回りポジティブと評価。設備投資を増やしながらも販管費が削減される計画で、同社が中期計画で打ち出している構造改革が着実に進ちょくしている印象を受けるとした。

  雪印メグミルク(2270):5%安の2973円。10日午前に決算を発表。18年3月期営業利益は前の期比3.3%増の194億円で、主力の乳製品ではチーズの販売が増えて宣伝促進費や原材料費の増加を補い増益を確保した。ただ、19年3月期は前期比1.9%減の190億円の見通し。

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