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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本株反発、米朝融和期待広がる-輸出や原油、テルモなど好決算高い

更新日時
  • 北朝鮮で拘束の米国人3人が帰国へ、海外原油は3年ぶり高値更新
  • 紙パや空運、電力には売り、原油高で燃料コストアップを警戒
markets generic stocks
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

10日の東京株式相場は反発。北朝鮮が拘束していた米国人3人を解放し、北東アジア情勢の緊張緩和期待が広がった。自動車や精密機器など輸出株が上げ、海外原油高を材料に鉱業や石油株は業種別上昇率1、2位。医療機器のテルモなど決算評価銘柄への買いも株価指数を押し上げた。

  TOPIXの終値は前日比4.71ポイント(0.3%)高の1777.62、日経平均株価は88円30銭(0.4%)高の2万2497円18銭。

  第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストは、「新年度入り以降に為替が着実にドル高・円安方向に動いているほか、企業が円高局面でも競争力をつけてきたことが日本株の買い安心感を強めている」と分析。また、米朝対立の緩和もプラスで、「地政学的な材料がファンダメンタルズに及ぼす影響は限られても、北朝鮮の姿勢軟化は投資家心理を改善させる」と話した。

The First Trading Day Of The Year At The Tokyo Stock Exchange

東証内

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米国のトランプ大統領は9日のツイッターで、北朝鮮で拘束されていた韓国系米国人3人が解放されたことを明らかにした。金正恩朝鮮労働党委員長との米朝首脳会談を控え、解放が実現した。

  同日の米国株は、エネルギー関連株の上昇や米朝動向を受けS&P500種株価指数が1%高と反発。ニューヨーク原油先物は、米国が諸外国にイラン産原油の購入削減を要求、在庫減少なども重なり、3%高の1バレル=71.14ドルと2014年11月以来の高値を付けた。きょうのドル・円は一時1ドル=109円90銭台と、前日の日本株終値時点109円51銭からドル高・円安に振れた。

  海外市況の流れを受け、この日の日本株は上昇して開始。午前半ばに一時円が強含んだことに連動し、TOPIXはマイナスに沈む場面もあったが、午後にかけ持ち直した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の三浦誠一投資ストラテジストは、「北朝鮮の人質解放は米国との交渉のテーブルを広げる一助。これまでの緊張状態を緩和させる方向に向かっている点で、内外株式相場に好影響をもたらす」とみる。

  ただ、主要株価指数は朝方付けたきょうの高値を抜け切れず、上値の重さも感じられた。岡三証券の阿部健児チーフストラテジストは、「東証1部企業で公表済みの今期利益計画は3月時点の市場予想から約20%下振れており、企業業績が思ったほど良くないことが日本株の重し」と指摘する。三菱モルガンの三浦氏は、「日経平均2万2500円が節目として意識されている。2月の株価急落時に買った個人投資家などの戻り売りが多い」とみていた。

  東証1部33業種は鉱業、石油・石炭製品、ガラス・土石製品、輸送用機器、精密機器、鉄鋼、医薬品、化学など24業種が上昇。下落はパルプ・紙、繊維、空運、電気・ガス、食料品、情報・通信など9業種。売買代金上位では、今期利益計画を上方修正した昭和電工、前期大幅増益と自社株買いの三菱自動車、今期も営業増益計画のIHIが高い。半面、営業利益計画が市場予想を下回った東レが午後に急落。営業減益計画の古河電気工業のほか、ヤクルト本社も安い。

  • 東証1部の売買高は15億4244万株、売買代金は2兆6308億円
  • 値上がり銘柄数は991、値下がり989
日経平均と個人投資家売買、信用取引状況
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