日中韓首脳、北朝鮮の非核化を協議-「今後も協調」と安倍首相

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  • 非核化への機運、具体的な行動につなげる必要-安倍首相
  • 東アジアのインフラ協力強化へ日中韓対話で一致

日中韓首脳会談が9日、東京・元赤坂の迎賓館で開かれ、北朝鮮の核、ミサイル問題などについて協議した。議長を務めた安倍晋三首相は共同記者発表で「今後とも3カ国で協調して行動する」と述べた。中国の李克強首相、韓国の文在寅大統領が出席した。

  安倍首相は、南北首脳会談などを通じた朝鮮半島の非核化に向けた機運を「北朝鮮の具体的な行動へつなげていかなければならない。そのための方策を議論した」と語った。北朝鮮に対する国連安全保障理事会決議の完全履行は「日中韓、共通の立場だ」とも強調。中韓首脳に対し、拉致問題の早期解決に向けた支援と協力を呼び掛け、日本の立場に理解を得たとも話した。

日中韓首脳会談に臨む(左から)李首相、安倍首相、文大統領

Photographer: Eugene Hoshiko/Pool via Bloomberg

  日中韓は2008年から持ち回りで3カ国首脳会談を実施している。7回目となる今回は4月27日に行われた文大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との南北首脳会談後の開催となった。北朝鮮を巡っては3月と今月7、8両日に金委員長が訪中し、習近平国家主席と会談。米国のトランプ大統領も近く史上初の米朝首脳会談を行う予定だが、日朝首脳会談のめどは立っていない。

  中国の国営新華社通信は、李首相は日中韓首脳会談で、朝鮮半島の非核化を推進し、平和と安定を維持する機会を捉えるよう促したと報じた。韓国の文大統領は、その後行われた日韓首脳会談で、朝鮮半島や北東アジアの平和と繁栄のため、南北のみならず日朝間の対話と関係正常化が必要だと通訳を通じて語った。

  一方、日中韓首脳会談に同席した西村康稔官房副長官は、北朝鮮問題では核兵器を含む大量破壊兵器と弾道ミサイルの完全かつ検証可能で不可逆的な方法での廃棄へ向け、「安保理決議に従って、3か国で協力を進めることを確認した」と記者団に語った。

初来日

  中国の李首相、韓国の文大統領は就任後初めての来日となった。日中韓首脳会談では経済協力についても協議。安倍首相は共同記者発表で、「3カ国が力をあわせればできないことはない」と述べ、イノベーション、人工知能(AI)などの分野での協力に意欲を示した。

  その上で、東アジア全体を視野にインフラ協力を強化するため、3カ国の対話の機会を追求していくことで一致したことを明らかにした。新華社通信によると、中国は日韓に対し、自由貿易協定(FTA)や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉加速を求めた。

  安倍首相は日中韓首脳会談後に開かれたビジネスサミットで、3カ国首脳が日中韓FTAおよびRCEP交渉の加速化に向けて連携することで一致したことを明らかにした。

日中首脳会談

  午後に行う日中首脳会談では、今年が平和友好条約締結40周年の節目にあたることから、首脳間の相互訪問や偶発的衝突を防ぐための防衛当局間の相互通報体制「海空連絡メカニズム」の合意に向けた協議を行う。李首相は10日には天皇陛下と会見するほか、11日に札幌市で開かれるフォーラムに安倍首相と共に出席する。

  李首相は8日付の朝日新聞朝刊に掲載された寄稿で、日本訪問中に金融危機などの際に日中両国で相互に通貨を融通しあう通貨スワップ協定の締結に向けて協議し、日本への人民元適格国外機関投資家(RQFII)の投資枠の付与を発表することを明らかにした。

(第4、5、8段落を更新します.)
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