アートからお金を稼ぐ方法-平均8.9%の年間リターンと示す指数も

  • 草間作品の収集家は保有資産の中で「パフォーマンスが最高」と語る
  • 最大9割値下がりリスクも-専門家は「地雷とチャンス」混在と警告

「お金を稼ぐことはアートだ」という言葉を残したのは米国の画家アンディ・ウォーホルだ。では、アートからお金を稼ぐのはどうだろう?

  拡大する世界のアート市場ではここ数年、目を見張るようなリターンが生まれ、芸術としてのみならず金融面でも評価される資産クラスに投資したいコレクターを引き付けている。

  例えば、馬のブリ-ディング業界で財を成したアイルランド人のジョン・マグニア氏はニューヨークのサザビーズで今月14日に行われる競売にモディリアニの裸体画を出品し、少なくとも1億5000万ドル(約160億円)を手にする。第三者が保証しているためだ。同氏はこの作品を2003年に2690万ドルで購入した。

モディリアニの「横たわる裸婦」

ソース:Sothebys

  多くの投資家にとって、アート市場は無視できないほど大きくなった。アート・バーゼルとUBSがまとめたリポートによると、世界全体の売上高は昨年637億ドルに達した。同市場の年間リターンは2000年以降、平均プラス8.9%であることをアートプライス・ドット・コムの指数は示している。

  だが、アート市場は不透明で規制もなく、流動性が著しく欠けることも多い。このため、ギャラリーのオーナーやオークション事業者は25%以上の手数料を求める。そして、買い手は偽物をつかまないようにしなければならないほか、めまぐるしく変わる流行という落とし穴にも注意が必要だ。

  現代アートに関して助言するロンドン在住のウェンディ・ゴールドスミス氏は「地雷とチャンス」がアート市場には混在しているとして、新たな顧客には「ノーと言うのが私の仕事の半分になる。特に金融市場を制覇したのだから、別の市場も制覇できると考える金融業界の人間に対してそうだ」と語った。同氏によれば、最大9割値下がりするアート作品もある。

  もちろん、富を築くコレクターもいる。例えば、04年に草間彌生氏の作品を目にしたフィリピン人のキム・カマチョさん(62)だ。水玉模様などが特徴的な草間作品を都内で見て「うちのめされ、通訳に作品をどうすれば購入できるのか尋ねると、無理だと言われた」と当時を振り返る。だが1年後、クレディ・スイス・アジアの副会長に就く夫のリト氏とシンガポールに居を移すと、チャンスが巡ってきた。新居の以前の借り手宛てにギャラリーから草間作品の展示会への招待状が届いたからだ。

  カマチョ夫妻はこうして、1960年代の草間作品を1万シンガポール・ドル(現在のレートで約82万円)で初めて購入。買えるだけ買う方式で収集し、コレクションが増えると、一部を売却した代金で自らがより良いと判断する作品を購入することもあったという。現在は100以上の草間作品を保有。「深く買い集める」戦略は奏功し、集めた作品の価値は20ー30倍に上がった。リト氏(62)は「われわれが持つ資産ではプライベートエクイティーや株式、債券、不動産よりも優れ、パフォーマンスが最高だ」と語った。

草間作品の下に座るカマチョ夫妻(左)、白髪一雄の作品(右)

カマチョ夫妻提供

  夫妻はこのほか、荒木経惟氏の写真作品や60年代の日本の前衛芸術の抽象画などを持つ。田中敦子や白髪一雄の作品の価値は過去10-12年で9倍前後上がったという。キムさんは「市場が私が思う以上の価値を付ければ、私はその作品を手放し、市場よりも私が判断する価値が高い作品は購入する」と話した。

原題:Top Collectors Reveal Secrets of How to Make a Fortune in Art(抜粋)

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