Photographer: Akio Kon

円が強含み、米国のイラン核合意判断控え警戒感-ドル・円は109円前後

更新日時
  • 円は大半の主要通貨に対して上昇、新興国リスクも意識
  • 離脱ならドル・円は一気に108円割れも-しんきんAM
Photographer: Akio Kon

東京外国為替市場では円が強含み。トランプ米大統領によるイラン核合意に関する判断発表を海外時間に控え、地政学リスクを警戒した円買いがクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)中心に優勢となった。

  ブルームバーグのデータによると、円は大半の主要通貨に対して小幅上昇。ドル・円相場は1ドル=109円台前半から一時108円85銭まで円買いに振れる場面が見られた。8日午後3時20分現在は0.1%安の108円95銭で推移している。

  ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は、米国のイラン核合意からの離脱はある程度想定されているが、「どこまで緊急性が高い、もしくは長続きするイベントなのかも不透明で、離脱を受けてどこまでリスクオフになるかは見極めが必要」と指摘。その上で、「イラン核合意に関するトランプ大統領の決定を前にドル・円のポジションを軽くしておきたいムードもあるのだろう。基本的には決定待ちで動きづらく、様子見になっていきそう」と話した。

  トランプ大統領は7日、米国がイラン核合意に残留するかどうかについて、米東部時間8日午後2時(日本時間9日午前3時)に発表すると、ツイッターで明らかにした。トランプ氏はしばしば合意を批判しており、米国の離脱をこれまで強く示唆していた。  

  ユーロ・円相場は1ユーロ=130円台前半から一時129円82銭と、約6週間ぶりの水準までユーロ安・円高が進行。オーストラリア・ドルは豪小売売上高が予想を下回ったこともあり、対円で一時0.4%安となった。

  しんきんアセットマネジメントの加藤純チーフマーケットアナリストは、米国のイラン核合意離脱は「今後すさまじい地政学リスクを巻き起こす可能性」があり、ドル・円が「一気に108円割れてもおかしくない」と指摘。米金利上昇やドル高を背景とした資金流出など新興国リスクも長引く問題で、「今はリスク回避の動きが出て、先んじて円が買われている状況」と説明した。

  一方、日本時間午後4時15分には米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の講演が予定されている。上田ハーローの小野直人ストラテジストはリポートで、「投資家は米経済が利上げに耐えられるかどうか、米金利高を背景とした世界的な資金移動による景気への影響に対する回答を得ようとしているが、まだ得られていない」とし、パウエル議長講演は「恐らくは手掛かりにならないだろう」と指摘した。

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