Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

中国の金融セクター開放は千載一遇の機会-世界の金融機関は準備万端

  • 外銀の利益は30年までに10倍余り拡大も-貸出基準改善など見込める
  • ゴールドマンなど外資、証券合弁で過半出資ならシェア5倍も

中国は42兆ドル(約4570兆円)相当の金融セクターの対外開放をかつてない規模で実現する見通しだ。

  中国当局は従来からの公約実現とトランプ米大統領からの関税を巡る脅威をかわすため、外国の銀行や証券、資産運用、生命保険各社に対する出資・業務規制の緩和期限を6月30日に設定した。

  ブルームバーグ・インテリジェンスの見通しによると、ゴールドマン・サックス・グループやUBSグループなど外資が証券合弁で過半を出資すれば、シェアが5倍となる機会が巡ってくる。AIAグループを含む保険会社はすでに大きなプレゼンスから恩恵を受ける見込み。HSBCホールディングスやシティグループなど銀行にとっては市場シェア拡大が簡単ではなくなるが、拡大できれば利益を享受できる。

  中国の2001年の世界貿易機関(WTO)加盟で製造業が大きく変わったように、金融セクターの開放は中国全体の資本配分や資産運用のあり方を変える可能性がある。

銀行

  外資系銀行の利益は30年までに10倍余り拡大する見込みだが、なお小さな存在にとどまる見通し。外銀参入で国内の貸出基準は改善し、肥大化した国有企業に断然有利なシステムを崩すという点で、より幅広いインパクトを残すだろう。

証券

  外資が出資する証券合弁のシェアは30年までに5倍となり、利益は約4倍になると予想される。UBSはすでに中国合弁への過半出資に向けて申請書を提出し、中国当局による金融セクターの開放方針を利用するグローバル銀行第1号となった。ゴールドマンは経営権を握ることができれば、人員と資本の両方を大幅に増やす計画だ。

生保

  生命保険は外資系企業が健闘している中国金融セクターの一角で、保険料ベースの市場シェアは6年連続で拡大している。すでに布石を打ってきた生保のパフォーマンスが最も良好となる公算が大きい。

資産運用

  中国は6月までにミューチュアルファンド運営・先物会社の外資出資上限を51%に引き上げ、3年後に撤廃する方針。運用需要自体は大きく、外資のシェアが30年までに6%にとどまったとしても、運用資産は1兆8000億ドルに達するとみられる。

  中国の大規模な金融セクター開放はリスクとつまずきを伴うだろう。外資が信頼感を持って参入するには国家の影響力を下げる必要がある。投資家が資金を中国国内に持ち込むだけでなく、国外に持ち出すことができると理解するには、ボラティリティーが必然的に生じることになる資本勘定の開放も必要だ。

  いずれにせよ、中国のような経済規模であれば、1桁台の市場シェアでも大きな利益を生むことになる。中国のWTO加盟で製造業が大きく変わったように、世界の金融を巡る風景も変化を余儀なくされることになる。

原題:Global Finance Titans Ready for China’s Chance of a Lifetime(抜粋)

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