ヘッジファンド運用者から物言う株主に、初ターゲットは浅沼組(1)

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  • ボルタ・グローバル、浅沼組に100億円相当の特別配当など要請
  • 誠実に対応しなければ、委任状争奪戦を検討も-エバンス氏
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

ヘッジファンド会社エベレスト・キャピタルの元運用者が経営するボルタ・グローバルが、日本で物言う株主に転身した。初ターゲットは大阪に本社を置く中堅ゼネコンの浅沼組だ。

  ボルタは浅沼組に対し、100億円相当の特別配当あるいは自社株買いの実施に加え、100%の配当性向への方針を2019年3月期に形式化するよう求めている。ボルタが浅沼組に宛てた3月19日付の書簡をブルームバーグが入手した。ボルタはまた、英語での情報拡充も訴えている。

  浅沼組のIR部長、八木良通氏はブルームバーグ・ニュースの今月2日の電話取材に対し、ボルタからの書簡は確認したと述べた上で、「内容は真摯(しんし)に受け止め、やるべきことは前向きに取り組んでいく。他の株主からもさまざまな要望をいただいており、当然ながらきっちり検討させていただいている」と語った。

  7日の東京市場で浅沼組の株価は一時6.4%高と、TOPIXの建設セクターで上昇率1位。午前10時21分現在、TOPIXは0.4%安。

  ボルタのパートナーでマネジングディレクターを務めるジェフリー・エバンス氏は1日、マイアミから電話インタビューに応じ、浅沼組がこの要望に真摯に対応しなければ、委任状争奪戦を検討する方針だと語った。外部資金を運用しないボルタは1月に浅沼組の株式を取得、上場株への投資は少なくとも1年半保有し続けるという。

  安倍政権は企業統治の指針であるコーポレートガバナンス・コードを導入、株主らとの協働や対話を通じて企業価値を向上させるよう企業側に求めている。これを背景に、日本でも物言う株主の活動が増えつつあり、ダルトン・インベストメンツやRMBキャピタル・マネジメントなどが企業に対し、配当引き上げや自社株買いなどを通じてバランスシート上に抱える資金を還元するよう促している。

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  浅沼組の17年末時点の現金資金は290億円で、同社の時価総額の80%以上に相当。同社の株価は今年2月に20年ぶりの高値を付けたが、それ以降15%下げている。

  エバンス氏は「正常に機能していないバランスシートを持つ中小企業が非常に多い。ガバナンス改革の本質をしっかり受け止めていないようだ」と語った。

原題:Ex-Everest Hedge Fund Managers Turn Activists on Japan Stock (1)(抜粋)

(4段落目に浅沼組の株価動向を追加します.)
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