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CDS市場に新たな操作疑惑-ヘッジファンドの取引が臆測呼ぶ

  • 米新聞社マクラッチーと結んだチャタムのローン合意がCDSに影響
  • 米監督当局も注視-CFTCは操作を防ぐ行動を検討する方針

企業のデフォルト(債務不履行)に備える保険的な金融商品クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を購入するのは当然と思われた取引で、ヘッジファンドのチャタム・アセット・マネジメントが借り手企業と結んだ合意のおかげで、CDSの買い手は大損したも同然の状況になっている。

  これらの借り手は、赤字で借り入れの多い米新聞社マクラッチーの社債をショート(売り持ち)にし、同社のデフォルトに賭けるCDSの購入が5億ドル(約550億円)近い規模に達していた。

  ところが、チャタムがマクラッチーと合意した新たなローン契約2件で、同社は債務7億1000万ドルの大半を借り換えられることになったほか、合意に付帯する条件で借り入れの大半を新しい完全子会社に移すこととなった。そうなれば、CDSの買い手はほとんど債務を持たない親会社のデフォルトに備えて保証料を支払うことになってしまう。しかもCDSの売り手はチャタムだったため、同社には大きな利益がもたらされる可能性がある。

  11兆ドル規模のCDS市場には現在、市場操作の温床になっているのではないかと疑惑の目が向けられている。米ブラックストーン・グループ傘下のGSOが資金提供した米住宅建設会社を巡るCDS取引でも、この住宅建設会社がデフォルトする条件が含まれていたことで、GSOが購入済みのCDS3億3300万ドルから現金を得られる事態が発生。監督当局も注目し、米商品先物取引委員会(CFTC)は先週、市場の健全性を確実にし操作を防ぐためのあらゆる行動を注意深く検討すると発表した。

  リソース・アメリカの資産運用者マイク・ターウィリガー氏は、「CDSは金融商品として無効になり得るほど操作されている」との見方を示し、「根本的に金融市場は正当な価格をよりどころとしている。取引相手がCDSの契約をゆがめようと資本構造を故意に変えてしまおうとしているのではないかと懸念させる金融商品を、どうして利用できようか」と問い掛けた。

  マクラッチーの借り換え合意から数時間で、同社の5年物CDSの市場価値は約7割吹き飛んだことをブルームバーグとCMAが集計したデータは示している。

McClatchy's Cratering CDS

  チャタムの広報担当者はコメントを控えた。マクラッチーにもコメントを求めたが、返答はなかった。

原題:Hedge Fund Gambit Stirs Fresh Controversy in Besieged CDS Market(抜粋)

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