Tモバイルとスプリントの両CEO、5G時代にらみ一転同志に

  • クラウレ氏とレジャー氏、共通の理由で結び付く
  • 5G時代に単独ではベライゾンやAT&Tに対抗できないと認識

米スプリントのマルセロ・クラウレ最高経営責任者(CEO)とTモバイルUSのジョン・レジャーCEOはツイッターや公のイベント、広告で絶え間なく互いに中傷し合っていたが、携帯電話サービス業界のこの大物2人は舞台裏では共通の理由で結び付いていた。

  両氏の関係は週末、TモバイルUSがスプリントを265億ドル(約2兆9000億円)で買収に合意するという形で結実した。数カ月前に規制上の懸念で合併計画が頓挫していたが、レジャーCEOとクラウレCEOは業界3位と4位の両社の統合に再び取り組んだ。次世代高速通信「5G」の時代に入れば、いずれも単独ではベライゾン・コミュニケーションズやAT&Tを打ち負かせないことに気付いたためだ。

TモバイルのレジャーCEO

(出所:Bloomberg)

  両社の統合計画を巡っては、Tモバイルの経営権を持つドイツテレコムとスプリントの親会社ソフトバンクグループとの間の話し合いが何年も堂々巡りしていた。しかし、ここ1カ月程度で状況は急展開を見せ、クラウレ氏はソフトバンクの孫正義社長に1週間に数回にわたって電話し、業界大手に対抗するには提携が急務と訴えたと事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。一方、レジャー氏はドイツテレコムに交渉の場に戻るよう説得に取り組んだという。

  今後の問題は反トラスト法(独占禁止法)当局が今回の合意を承認するかどうかだが、投資家は懐疑的に受け止めているようだ。スプリント株は4月30日に14%下落し、Tモバイル株も6.2%値下がりした。

  一方、レジャー氏は買収合意が承認されるとの確信を示した。同氏はCNBCに対し、今週ホワイトハウスや司法省に出向いて買収を擁護し、新通信網への投資に弾みがつくことになると議員らに印象付ける計画を明らかにした。

スプリントのマルセロ・クラウレCEO

撮影:Aaron Davidson /ゲッティイメージズ

  関係者によると、中国は現在、5Gの研究や投資で急成長していることから、同国に不信感を抱くトランプ政権は今回の合意について前の政権よりも承認に傾くとの見方があった。また、コムキャストがブロードバンドユーザーを着実に取り込むなど市場の動きも変化しつつある。

  スプリントのクラウレCEOは週末のインタビューで「われわれは通信網の構築方法について共通のビジョンがあり、大成功を収めるためにはお互いに必要な存在だと気付いた。スプリントはTモバイルなしで5G通信網を築けないし、Tモバイルもスプリントなしでは構築できない」と語った。

原題:T-Mobile and Sprint CEOs Turn From Rivals to Kindred Spirits (1)(抜粋)

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