ソフトバンク株もみ合い-Tモバイルのスプリント買収、評価分かれる

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  • 投資通じた「群戦略の一環」株価改善につながる-SMBC日興
  • スプリント連結外れ財務指標改善も、格付け影響は限定的-JCR
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

ソフトバンクグループの株価がもみ合いとなっている。米携帯電話事業者のTモバイルUSは29日、ソフトバンクG子会社のスプリントを株式交換により265億ドル(約2兆9000億円)相当で買収すると発表した。市場ではこの経営統合に対する評価が分かれている。

  1日の東京市場でソフトバンク株は安く始まったが反転し、一時前営業日比2.4%高の8705円まで上昇、結局0.7%高の8557円で取引を終了した。売買代金は東証1部で2位の約860億円に膨らんだ。発表後の30日の米国市場でソフトバンクの米国預託証券(ADR)は下落していた。

  ソフトバンクは2013年に約2兆円でスプリントを買収。Tモバイルの親会社であるドイツテレコムと長年にわたって合併協議を行ってきたが合意に至らなかった。孫正義会長兼社長はTモバイルの経営権獲得を目指していたが、今回の合意でソフトバンクのスプリント保有比率は現在の8割超から3割未満に低下する。

  SMBC日興証券の菊池悟シニアアナリストは1日のリポートで、スプリントはソフトバンクにとって負担であり、Tモバイルとの合併が難しければ売却すべきだと考えてきたため、今回の合併合意は「高く評価できる」と指摘。投資を通じた戦略的提携を加速させる「群戦略」の一環であり、株価評価の改善につながるとした。

  一方、日本格付研究所(JCR)は、米携帯会社2社の経営統合によるシナジー効果を期待するととともに、スプリントが連結対象から外れることなどにより、ソフトバンクの財務指標は改善する可能性が高いなどと分析している。ただ、統合がソフトバンクの格付けに与える影響は限定的との見方を示した。

  今回の統合は、米携帯電話市場にとって上位4社のうち2社による経営統合となるため、米司法省など当局との交渉が難航する可能性も指摘されている。こうした観測を受け、スプリントの4月30日の株価は14%安の5.61ドル、Tモバイルも6.2%安の60.51ドルとともに大幅下落した。

(株価を更新しました.)
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