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Photographer: Timothy Fadek/Timothy Fadek / Bloomberg News

ゴールドマン系JRE、再生エネルギー発電容量を4倍へ

  • 風力発電容量を向こう7年間で28倍に、現在は8割超が太陽光
  • 長崎県西海市沖の洋上風力発電所は日本最大規模となる見込み
A wind farm.
Photographer: Timothy Fadek/Timothy Fadek / Bloomberg News

米投資銀行大手ゴールドマン・サックス・グループ傘下のジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE)は風力発電開発に傾注し、再生可能エネルギー全体の発電容量を2025年に現状比4倍超の200万キロワットに拡充する方針だ。芳野行気執行役員・経営統括本部長が明らかにした。

  同社が現在運転中もしくは建設中の案件の発電容量は全国で計約42万4000キロワット。このうち8割超が太陽光となっている。一方、風力は、太陽光との併用1件を含む3件で計4万7000キロワットにとどまる。これを向こう7年間で28倍の130万キロワットまで拡大することを目指す。

  風力発電開発では、設備の環境負荷などを調査し、地域住民の理解を得る必要があり、通常4年を要する。芳野氏は4月26日のインタビューで「環境アセスメントに時間がかかってしまったが、ようやく今年、来年あたりから着工段階に移行できる」と述べた。太陽光発電の買い取り価格が下がる中、風力発電は再生可能エネルギーの多様化を目指す政府の支援も受けやすくなるとみられている。

  足元で着工に向け同社が手応えを感じているのは、岩手県折爪岳での3件の風力発電所(計27万キロワット程度)と長崎県西海市沖の洋上風力発電所(24万キロワット程度)。西海市沖案件が25年ごろに稼働できれば日本では最大規模の洋上風力発電所となる見込み。

洋上風力の建設費は1000億円超

  4月最終週に長崎県西海市を訪れた芳野氏は、人口流出問題を抱える現地では、雇用につながる「洋上風力への期待値は非常に高い」と実感したという。既に建設予定地の漁業権を持つ漁業者8人全員から同プロジェクト推進への賛同を得ており、風車の土台を漁礁とした伊勢エビ漁などへの貢献についても検討し始めている。

  現時点のプランでは洋上に80基以上の風車を建てる予定で、海底調査費などを含めた総建設費は「1000億円を超える見通し」だ。国内で建設される商業用の太陽光発電所に比べ圧倒的に規模が大きい洋上風力発電所は、まさに「桁違いの開発費がかかる」と話す。

  しかし、JREはゴールドマンとシンガポール政府投資公社(GIC)から出資を受け、資金力への不安は全くないと芳野氏。今後の課題は海洋土木に強いゼネコンをきちんと同プロジェクトに招き入れることだと指摘する。洋上風力の開発加速を見越し、JREはゼネコン出身者を積極的に雇い入れており、12年8月の創業時に2人だった従業員数は連結ベースで234人まで増えた。

  一方、他の再エネ電源については、現状35万3000キロワットの太陽光が25年に60万キロワットになると想定。太陽光の方が開発ピッチが速かった分、飽和感も強まっており、今後は資金力のないプレーヤーの撤退と業界上位企業による寡占化のステージになるとみている。このほかバイオマスは計10万キロワット弱になると想定している。

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