スプリント株が急落、Tモバイルとの合併計画を当局が阻止との懸念で

更新日時
  • 合併が実現すれば米携帯電話事業者上位4社が3社に集約される
  • 一部のアナリストは、当局の承認が得られる確率を五分五分とみる

Sprint

Photographer: Jeenah Moon/Bloomberg
Photographer: Jeenah Moon/Bloomberg

30日の米株式市場でスプリントの株価は13.7%下落し、約半年ぶりの大幅安で取引を終えた。29日に発表された同社とTモバイルUSの合併計画が、反トラスト当局によって阻止されるのではないかとの懸念が広がった。

  米携帯電話事業者上位4社のうち2社が事業を統合する計画は、業界の競争を阻害する可能性があるかどうか司法省の徹底した調査を受けることになる。一部のアナリストは、当局の承認が得られる確率を五分五分とみている。

  TモバイルUSとスプリントは、両社の合併計画が退けられた2014年から情勢が変わったと当局を説得する必要がある。オバマ大統領からトランプ大統領に政権が交代したとはいえ、当局との交渉は難航が予想される。

  反トラスト部門担当の元司法副次官補、デービッド・トゥレツキー氏は、「歴史を振り返れば、この合併に司法省が異議を唱えないとは考えにくい」と指摘。「基本的には携帯電話事業者が4社から3社に減るという話だ。両社は業界には10社あると主張しているが、上位4社の2社であることに変わりはない」との見方を示した。

  スプリントとTモバイルが保有する無線通信用の周波数帯は相互補完的で、5G通信網を構築する上で戦略的な優位になり得る。スプリントはデータ容量は大きいが距離が限定される高周波数帯の国内最大の保有会社であり、Tモバイルは窓や壁を通過して長距離の伝送が可能な低周波数帯のポートフォリオに権益を持つ。

  モフェットネーサンソンのアナリスト、クレイグ・モフェット氏は「両社は合併して初めて5Gに必要な投資ができるようになると主張するだろう。その主張は恐らくかなりの部分が真実だ」と述べた。

  ただ、スプリントはソフトバンク、TモバイルUSはドイツテレコムの傘下にあり、合併後の新会社も外国資本となるため、外国投資家による米企業買収を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)の調査対象となる可能性があり、連邦通信委員会(FCC)の承認も必要になる。

  RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、ジョナサン・アトキン氏は30日のリポートで、合併の結果生じる業界の集中や構造を巡り「司法省が適用すると予想される基準に基づけば、スプリントとTモバイルUSの合併が承認される可能性は50%未満と引き続き考えている」と説明した。

  スプリントの株価は13.7%安の5.61ドルと、昨年5月3日以来の大幅下落。Tモバイルは6.2%安の60.51ドル。

TモバイルのレジアCEO、スプリント合併計画について語る

(出所:Bloomberg)

原題:Sprint Plunges on Concern That T-Mobile Deal Will Be Blocked (2)(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE