ドル・円は109円台前半、米長期金利低下が重し-黒田総裁会見に注目

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  • 米10年債利回りは2.97%前後、今週は14年以来の3%台へ一時上昇
  • 日銀、「19年度ごろ」との物価目標達成時期を削除

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=109円台前半で推移。米長期金利の低下を背景にやや上値の重い展開となり、これまでのドル高の流れに一服感が出た。

  27日午後3時8分現在のドル・円は前日比ほぼ横ばいの109円28銭。朝方付けた109円35銭から一時109円15銭まで下げる場面が見られた。今週は米長期金利が2014年以来となる3%台に一時乗せ、日米金利差の拡大が2月8日以来のドル高・円安水準となる109円47銭を付ける要因となっていた。この日の米10年債利回りは時間外取引で前日比1ベーシスポイント(bp)低下の2.97%前後で推移している。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、ドル・円について、「5週間で5円も上がっているということは、一方的過ぎる」とし、「さすがにスピード調整が入るのではないか」と指摘。もっとも、109円を割れる気配はなく、「来週以降もう一度上をやるのか注目したい」と話した。

  日本銀行はこの日、金融政策決定会合後に公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)で「19年度ごろ」としていた2%物価目標の達成時期を削除した。新体制になってから初めてとなる会合では、積極的なリフレ派とみられている若田部昌澄新副総裁の投票行動が注目されたが、同氏からの政策提案はなく、これまでと同様に片岡剛士審議委員のみが現状維持に反対した。

日銀会合結果と展望リポートについての記事はこちらをご覧ください。

  植野氏は、物価目標時期の削除について、これまで達成時期を明言していただけに、「できないのなら、追加緩和をやるのではないかと思われる」と指摘。一方で、「物価目標を柔軟運用にしてどこかで出口に動けるような体制を作ったという解釈」も可能で、午後3時半からの「黒田総裁の会見を待ちたい」と語った。

  韓国では約11年ぶりとなる南北首脳会談が行われている。FXプライムbyGMOの柳沢浩カスタマーコンサルタントは、今回は特に重要な取り決めはないとみられるため、市場は「とりあえず静観だろう」が、「文大統領が拉致問題に言及すれば、安倍内閣支持率にプラスなので、多少のドル買いを招く可能性はある」とみている。

  一方、米国ではこの日、1-3月期の米実質国内総生産(GDP)が発表される。ブルームバーグのエコノミスト調査の予想は前期比年率2%増で、昨年10ー12月の同2.9%増から鈍化する見通し。米連邦公開市場委員会(FOMC)がインフレ目標の基準とする個人消費支出(PCE)価格指数は食品とエネルギーを除いたベースで前期比年率2.5%上昇と、2011年以来の大幅な伸びが予想されている。

  柳沢氏は、「GDPは2%予想を超えていればOKで、コア価格が予想通りやそれ以上になれば、米債が売られて利回りが上がり、ドル・円も買われる」と予想した。

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