Photographer: Akio Kon/Bloomberg

【来週の日本株】小幅高、米金利安定や業績改善を期待

  • 米経済指標の事前予想はまちまち、過度のインフレ観測は後退
  • 1ドル=109円まで進展した円安が株価を支える、決算発表は見極め
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

5月1週(1ー2日)の日本株相場は堅調な展開が予想される。発表される米国の経済指標がインフレ加速を示唆しない見通しで、金利上昇に対する過度の懸念が後退しそう。ただ、大型連休の谷間で期間リスクを回避したいとのムードがあり、売買は低調になる。

  米国では4月30日に3月の個人消費支出(PCE)や4月のシカゴ製造業景況指数、5月1日に4月の米供給管理協会(ISM)製造業景況指数、4日は4月の雇用統計が発表される予定。市場予想はPCEコアが前月比0.2%上昇で前回と同じ、ISM製造業は58.5(前回59.3)、雇用統計での非農業部門雇用者数は18万5000人増加(同10万3000人増)、平均時給は前月比0.2%上昇(同0.3%上昇)で、強弱まちまち。米国では10年債利回りが2014年以来の3%台に急上昇しただけに、PCEコアや雇用統計が一段の過熱を示さなければ金利上昇の勢いは一服する可能性がある。

株価ボードの前を歩く男性

Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

  米金利上昇や朝鮮半島の地政学リスクの緩和から、ドル・円相場は1ドル=109円台に円安が進んでいる。日本銀行の3月の企業短期経済観測調査(短観)による今年度想定の109円66銭近辺まで来たことで、企業業績の不透明感が和らいでいる。ただ、ゴールドマン・サックス証券では同証の収益リビジョン先行指数がマイナス傾向であるため、今期の市場コンセンサス予想は切り下がりが続くと想定。4月4週から決算発表が本格化している中、積極的に上値を追いにくい状況だ。

  このほか、中国では4月30日に3月の製造業購買担当者指数(PMI)、米国では1日にアップルの決算、1、2日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定される。国内決算は1日にJTやヤマトホールディングス、ポーラ・オルビスホールディングス、ヤマハ、2日に伊藤忠商事など。4月4週の日経平均株価は週間で1.4%高の2万2467円87銭と5週連続で上昇した。

≪市場関係者の見方≫
ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジスト
  「戻り基調が続きそう。米国の金利上昇に対して市場は悲観的に動いてきたが、欧州中央銀行(ECB)が正常化を加速する方向ではなかったこともあり、急激な上昇に一服感が出ている。原油価格上昇によるインフレ懸念は一時的要素もあり、PCEコアや雇用統計、FOMCのイベントを通過すると金利は落ち着きを示す可能性がある。製造業の景況感は世界的にやや鈍化しており、米国や中国などで急激な悪化さえなければ、まちまちな状態はむしろ引き締めにつながりにくいと受け止められそう。企業決算は個別では失望があっても、全体ではしっかり。為替の円安もあり、今期1桁台後半の増益を織り込める状況となりつつある」

アセットマネジメントOne運用本部調査グループの中野貴比呂ストラテジスト
  「材料面ではややリスクの方が多いと想定されるが、連休期間中でもあり基本的には様子見だろう。米経済指標を受けて金融引き締め懸念が加速するかが焦点だ。インフレや雇用が強ければ金融引き締め懸念から株価にネガティブだが、雇用が予想を下回ると利上げが続いて金利が上昇してくる中で成長率が思ったほど伸びないとしてネガティブになりかねない。一方、米長期金利3%は政策金利が織り込まれた水準で、そろそろ落ち着く可能性。そうなると米景気は底堅い回復を続けて変調をきたしていないとの認識の中で、業績や経済を改めて見極めようとのムードになろう」

岡三アセットマネジメントの前野達志シニアストラテジスト
  「連休の狭間で様子見姿勢が強い中、底堅いだろう。米雇用統計は強めに出ると長期金利の上昇を招き、米国株にマイナス。一方で為替は円安に進み日本株にはプラスに働くが、米株下落のマグニチュードが大きいと日本株にも響く。ISM統計は前月に比べ弱めの予想でも、基本的には高い水準。米経済は減税効果が1年かけて出てくるため、堅調が続こう。1株利益は10ー12月期まで15ー20%増をキープ。レパトリ減税などで浮いた資金が増配や自社株買いに回り、マーケットにとって良い環境が続く。日本企業の決算はガイダンスリスクがあるものの、ここで悪材料は出尽くしとなり、海外投資家の買い越しが続きそう」

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