山崎前財務官:米長期金利3%はリプライシング開始の「小さなサイン」

  • ドル・円相場はファンダメンタルズからそれほど離れておらず
  • 米為替政策、物価上昇でドルの価値の安定はむしろ大事に

前財務官の山崎達雄・国際医療福祉大学特任教授

Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg
Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg

前財務官の山崎達雄・国際医療福祉大学特任教授は、約4年ぶりの3%台に達した米長期金利について、金融危機以降の世界的な金融緩和などにより押し上げられた金融資産市場における価格再評価開始の「小さなサイン」にすぎないとみている。現在のドル・円相場については、経済の基礎的条件(ファンダメンタルズ)からそれほど離れていないとした。
  
  山崎氏は25日のブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、これまで米連邦準備制度理事会(FRB)による6回の利上げでも米長期金利が上がらなかったが、「マーケットがようやく遅まきながらついてきているということではないか」と分析。3%という水準については、「長期的にみればまだまだ極めて低いレベル」と指摘した。

  24日の海外市場では米10年債利回りが2014年以来となる3%台に上昇し、米国株が大幅下落した。一方、為替市場では日米金利差拡大が意識され、ドル・円が上昇。日本時間26日早朝には1ドル=109円47銭と2月8日以来の水準までドル高・円安が進んでいる。

  FRBは2015年12月から利上げに着手したが、景気への配慮などから15年と16年の利上げ回数は各1回にとどまり、米長期金利は16年7月に終値で1.35%と過去最低を記録。17年は3回に利上げペースを速めたものの、物価上昇が鈍いことなどからリスク資産の上昇にもかかわらず、米長期金利は2%台でのもみ合いが続いていた。  

  ドル・円相場について、山崎氏は「今くらいのところはファンダメンタルズとそんなに離れている気はしない」と述べると共に、日本の物価上昇の遅れや金融緩和の継続などを考えれば「どんどん円高方向に行かなければならないようなバックグラウンドがあるとも思わない」との見方を示した。

  もっとも、市場では11月の米中間選挙に向けて、トランプ米政権による円安批判への懸念もくすぶる。ただ、同氏はトランプ氏も選挙の時には頻繁に円に言及していたものの、その後は強いドルが米国の利益との見解におおむね統一されたと指摘。「根っこのところの基本的な強いドル政策みたいなものは生きるだろう」とし、「特にこれから物価もだんだん上がってくるので、むしろドルの価値の安定は大事になってくる」と予想した。

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