かんぽ生命:ヘッジ外債と代替投資を積み増し、円債は減少-運用計画

かんぽ生命保険は2018年度の運用計画で、為替リスクを回避した形で投資する外国債券(ヘッジ付き外債)に加え、株・債券などとリスク特性の異なる代替投資(オルタナティブ)の残高を積み増す方針だ。円金利資産は減少する見込み。淺井重明運用企画部長らが25日、記者説明した。

  円金利資産は、低金利環境の継続を見込み、積極的にデュレーションの長期化を進める環境にないと判断。新規資金の約3兆円の半分程度を投資するが、残高は引き続き減少の見込み。金利が上昇する局面では追加投資も機動的に考える。

  ヘッジ付き外債は、ひきつづき運用収益向上の観点から新規資金の半分以下を配分し、残高増加を見込む。金利水準、ヘッジコスト、日本国債との相対的な利回りなどを勘案し機動的に残高を調整する。

  運用企画部の福嶋亮介担当部長は、ヘッジ外債の投資対象について、「ドルのヘッジコストが上昇しており、米国債に投資すると期待リターンがなくなる」と指摘。クレジットスプレッドが乗っているものを中心に投資する。ドル以外では欧州はヘッジコストにプレミアムが乗っており、「ユーロ建て、欧州周辺国を含めて相対的に円金利資産に比べて収益性あるものを選んでいく」と話した。

  オープン外債と国内株式については、日米の景気サイクルが終盤を迎えつつある中、資産価格も若干割高な状態にあると見て、残高は横ばいを計画。相場が調整する局面では追加投資も機動的に考える。淺井氏はオープン外債が魅力的になるドル・円水準について「1ドル=105円を下回り、そのままずるずる下がらず比較的早期に戻ってくることが予想される場合」との見方を示した。福嶋氏は、現状の為替相場について「レンジの中で当面推移する」と予測。「下がったところで多少ポジションを積み増し、円安になった局面でポジションを落とす」と述べた。

オルタナティブ

  ヘッジファンドやPEなどのオルタナティブ投資は、収益性の向上を目的に中長期的に残高を積み増す方針で、今年度も残高増を見込む。従来、オルタナティブ投資を総資産の1%程度まで拡大させる計画を掲げてきたが、新中期経営計画では3年目に同1.5%まで投資する方針に変更した。

  17年度は海外クレジットの運用を拡大、エマージング債やオルタナティブ投資を開始し、資産クラスの多様化は一段落がついた。18年度はそれぞれ多様化したクラスの中で投資対象、運用手法、投資戦略を深堀し多様化を進める。4-6月中にはファンドを通じた海外不動産の投資も開始する予定だ。

  具体的には、現在、外部運用機関に委託している海外クレジットを徐々にインハウス運用にシフトする。16年にインハウス運用を開始した国内株は、新しい投資戦略での運用を開始。オルタナティブでは、ゆうちょ銀行と設立したJPインベストメントのファンド投資を通じて連携を強める。

2018年度の運用計画一覧(単位:億円)


国内債券外国債券ヘッジ外債オープン外債国内株式外国株式
かんぽ減少増加増加横ばい横ばいN.A.
第一減少金利次第だが
増加の可能性低
為替次第で
増加見込み
減少減少見込みだが
株価次第
明安やや増加増加増加やや増加やや増加やや減少
三井横ばい増加▲数百億円+2400以上横ばいN.A.
富国▲400+1100▲1100+2200▲100+400
大同横ばい増加増加増加

2018年度の予想一覧


国内金利
(%)
米国金利
(%)
日経平均
(円)
ダウ
(ドル)
ドル円
(円)
ユーロ円
(円)
かんぽ▲0.1ー0.4(0.1)2.6ー3.2(3.0)20000ー25000(23000)22000ー26000(25000)100ー120(110)130ー150(140)
第一0.00ー0.20(0.10)2.50ー3.50(2.80)20000ー28000(23000)23000ー29000(25000)100ー115(108)120ー150(135)
明安▲0.10ー0.20(0.10)2.30ー3.30(2.90)20000ー24000(23000)22000ー27000(25500)100ー118(110)125ー146(137)
三井▲0.10ー0.20(0.10)2.80ー3.60(3.20)22500ー25000(23800)24200ー27800(26500)105ー115(110)130ー145(138)
富国▲0.10ー
0.15(0.05)
2.40ー3.20%(3.00)19000ー25000(23500)22000ー26500(25800)98ー116(110)125-145(136.5)
大同▲0.05ー0.15(0.05)2.2ー3.3(2.8)19500ー25000(23500)23000ー27500(26000)98ー118(112)120ー143(138)

※第一生命、富国生命、大同生命は18年度の想定レンジ(年度末)
※かんぽ生命、三井生命は18年3月末のレンジ(3月末見通し)

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