電動化へ突き進む中国、トヨタは「カローラ」で勝負-北京ショー

更新日時
  • PHVを現地生産、ホンダと日産自も既存車種ベースのEV投入
  • 需要はまだ限定的、新規開発でなく実績がある人気車種の活用で対応

世界的な環境規制の強化で電気自動車(EV)化の流れが進むなか、日本の自動車メーカー各社は国としてEVを推進する中国に向けた電動車の商品開発に本腰を入れ始めた。25日開幕した北京モーターショーでは各社が中国向けEVやプラグインハイブリッド車(PHV)の新車を披露、今後の電動車の導入目標を明らかにした。

  日産自動車は主力セダン「シルフィ」のEVを出展した。中国事業を統括するホセ・ムニョス氏はブルームバーグとのインタビューで昨年中国で40万台以上売れ、日本のメーカーでは最も人気が高いモデルとなったシルフィについて、販売台数に占めるEV比率を10%以上に高めたいと述べた。

日産「シルフィ」EV

Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

  ムニョス氏は中国について、日産自にとって「間違いなく最大の市場になり、その状態がこれからもずっと続く」と指摘。中国で最重要のセグメントの一つであるセダンでも特に人気が高いシルフィのEV版を投入することで顧客に技術力をアピールしたいとの考えを示した。

  トヨタ自動車は中国でも人気が高いカローラとその兄弟車である「レビン」のPHV版を19年から現地生産の形で導入すると発表。中国では20年までに10種の新たな電動車を追加するとしている。ホンダもSUVの「ヴェゼル」をベースにした中国市場専用の量産EVのコンセプトモデル「理念」を公開。現地合弁の広汽本田汽車と共同開発で18年内の発売を予定している。同モデルは現地の企業と協力してカーシェアリングにも活用され、八郷隆弘社長は25年までに20種以上の電動化モデルを投入すると明らかにした。

  中国では来年から自動車メーカーに対して、総販売台数の10%以上をEVなど排気ガスを出さないゼロエミッション車にするよう求める規制を導入する。目標数値は2020年には12%以上に引き上げられることになっており、中国の地場メーカーや独フォルクスワーゲン、米ゼネラルモーターズなどのライバルはEVの生産を増やしている。しかし中国でもEV需要は補助金などの優遇措置がある都市部に限られているのが実情だ。

  中国での電動車戦略では3社とも現時点ではEV専用車を新規開発するのではなく、既存の人気モデルの活用で対応する点で共通している。

理にかなったやり方

  独コンサルティング会社、ローランド・ベルガーの大橋譲パートナーは国内メーカーが中国で電動車を展開するにあたり、既存車のオプションの一つとして電動車を設定するやり方はマーケティングな観点からみれば「話題になりにくいのでよくない」としながら、いちから新しいEV専用モデルを開発すると膨大なコストがかかるとし、現実的な価格で販売するには理にかなったやり方だと述べた。

  日産自は22年までの中期計画で、中国での年間販売台数を現在より100万台以上多い260万台に伸ばすことを目指している。日産独自の電動パワートレーン「eーPOWER」を含めて20以上の電動化モデルを投入し、22年までに全体の販売台数の30%を電動車が占めるとみている。

  ムニョス氏はeーPOWERがゼロエミッション車と認定されなくとも中国政府が求めるゼロエミッション車を10%以上とする目標は「間違いなくクリアできる」と話した。

  中国の習近平国家主席が今月、自動車に対する輸入関税の引き下げや現在は50%を上限としている現地の自動車合弁会社への外資の保有制限を緩和する方針を示すなど、中国の自動車産業は電動化以外の分野でも大きな変化が見込まれている。

  トヨタ、ホンダが2社の中国メーカーと合弁を持つのに対し、東風汽車との現地合弁1社体制を取っている日産自動車のムニョス氏は「東風との関係に満足している」としながら、今後新しい制度の形がはっきりしてくれば、他の可能性について検討する可能性もあるとの見方を示した。ホンダの中国事業責任者の水野泰秀氏は現時点ではホンダが合弁の株式の51%を取る「緊急性はない」とし、オペレーションの観点からすれば「50対50でやっていくメリットが大きい」と話した。

(ホンダや日産自幹部のコメントなどを追加します.)
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