武田薬の財務に大きなダメージも、シャイアー買収で-格下げの可能性

武田薬品工業が医薬品メーカー、シャイアーの買収に成功すれば、財務に大きなダメージがあり格下げの可能性があると専門家は見ている。

  武田薬は20日にシャイアーに対する買収額を総額600億ドル(約6兆4700億円)に引き上げ、買収額のうち45%を現金、残りを新株で支払う意向を示した。業界関係者は、武田薬は最初は比較的短期の銀行ローンで資金を調達し、その後社債を含めた長期資金に借り換えると予想している。

  S&Pグローバル・レーティングは、シャイアーの買収は成立すれば武田薬の格付けの下方圧力になると20日付のリポートで指摘。みずほ証券の田中洋シニアアナリストは、買収資金の現金部分を借り入れ調達した場合、武田薬の純有利子負債/EBITDA比率は5.4倍まで悪化すると予想している。武田薬のIR資料によると、この比率は17年末時点で1.9倍。

  UBS証券の関篤史アナリストも、武田薬がシャイアーを買収すれば、6カ月や1年程度といった一定の期間は格付けが投機的等級まで落ちる可能性があるとの見方を示した。武田薬は現在、S&Pとムーディーズ・インベスターズ・サービスから「A-」、格付投資情報センターから「AA-」の格付けを取得している。武田薬の広報担当者はコメントを控えた。

 12日の報道によると、武田薬は三井住友フィナンシャルグループなど主要取引先に買収資金の融資を打診している。仮に借り入れが円建てなら武田薬は大きな為替リスクを背負うと早稲田大学大学院の服部暢達客員教授は指摘。シャイアーを買収すればドル建ての資産が急増するため、買収後に円高になれば「借金額は変わらないが、アセットの評価は落ちる」との見方を示した。一方、ドル借り入れにも金利コストが高いという欠点があると語った。

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