日電産:米ワールプールからコンプレッサー事業買収、1175億円

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  • 米国の半導体材料搬送ロボットの製造メーカーも買収、金額非開示
  • 今期の営業益予想は前期比13%増の1900億円-市場予想に届かず

日本電産は24日、米国の家電メーカーワールプールから冷蔵庫用のコンプレッサー事業を10億8000万ドル(約1175億円)で取得すると発表した。成長が期待できる冷蔵庫用コンプレッサー事業で、製品群や販売地域の拡大を目指す。

  同社は2017年7月のセコップグループ買収とともに、家庭・商業用冷蔵庫のコンプレッサー事業に本格的に参入。年間販売台数約1億7000万台の市場規模を見込める同事業で売上高を伸ばす。2019年4-9月期の買収完了を目指しているが、競争当局からの承認獲得が遅れた場合には遅れる可能性もあるとしている。

  同社は米半導体材料搬送ロボット製造のジェンマークの買収についても発表。旺盛な半導体需要を背景に世界的に半導体製造装置のニーズの拡大が見込まれており、北米やアジア、欧州に販売網を持つジェンマークを取得することで、グローバル体制を強化する。取得額は売り手との取り決めにより非開示としている。

  「買収王」の異名を取る永守重信会長兼社長は、企業の合併・買収(M&A)を背景に同社を成長させてきた。同社では6月に永守氏が会長に専念し、吉本浩之副社長が社長に昇格させる経営陣の若返りを計画している。大阪証券取引所で会見した永守氏は、バトンタッチについて「まさに駅伝みたいなもの。お互い全力で走ってたすきを渡す」と話した。

  同時に発表した今期(2019年3月期)の営業利益予想は前期比13%増の1900億円で、5期連続で過去最高益を更新する見通し。アナリスト19人の営業利益予想の平均2055億円を下回った。車載や家電事業での成長を見込んでいる。

  業績予想の前提条件として為替を1ドル=100円、1ユーロ=125円とした。永守氏は、保守的な水準を予想していることについて「世界の政治、経済の状況を見ていると現状の108円からかなり円高になるリスクが高いと分析している」と話した。

  永守会長は会見で今後3年間で合計5000億円の投資を行う意向を明らかにした。その柱は電気自動車(EV)用駆動モーターなどの車載分野だ。「車載関係の部品会社はなくなっていく。そうした部品会社を買ってもあまり意味はないので、自ら開発し、新工場を作り、投資をする」とし、EV化に先んじて投資を行い「待ち伏せする」と述べた。

  日電産の中期経営目標は20年度に売上高2兆円、営業利益率15%以上。今回の2件の買収も含めれば、既に売上高目標の達成は視野に入っていると永守氏は言い、「営業利益3000億円の達成に焦点を置いている。新事業への転換、古い事業の整理などを含め、非常に高い収益に持っていく」ことが今後数年間の最大の課題と話した。

(決算発表の内容などを追加して記事を更新します.)
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