米10年債利回り3%到達で投資環境はどう変化するか-企業にも影響

  • 米10年債利回りは2.99%に到達、S&P500種益回りとの差が縮小
  • 株式や新興国市場はインフレ率上昇で再評価の可能性

米10年国債利回りは23日、過去4年で最も3%に接近した。投資家は金利が比較的高い時代のトレーディング方法を思い出そうと戦略本を引っ張り出している。

  金利上昇は市場にとって必ずしも新しい問題というわけではなく、10年債利回りは1月だけで30ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。しかし、今の金利上昇は急速な景気拡大ではなく、商品価格の急騰がけん引役であるため、特に株式に関しては議論に波紋を広げている。

  ルートホルド・グループの最高投資ストラテジスト、ジム・ポールセン氏は23日の顧客向けリポートで、「歴史的にみて、株式市場は経済の勢いが高まっているなら物価が上昇しても大丈夫だ。また、経済の勢いが弱まってもインフレも穏やかになるなら、株価は好調に推移してきた。しかし、(景気停滞と物価上昇が併存する)スタグフレーションの期間は株・債券市場のパフォーマンスはいずれも芳しくない」と指摘した。

  金利上昇に一部の市場がどう反応する可能性があるかを以下にまとめた。

  金融危機以降、株式は債券よりも利回りが高くなっているが、その差は縮小しつつある。S&P500種株価指数の益回りと10年債利回りの差(スプレッド)は8年ぶりの低水準付近にある。

  ストラテガス・リサーチ・パートナーズのテクニカル分析責任者クリス・ベロン氏は、10年債利回りが3%を超えれば、株式と債券の価値判断が今後何年も変わり得ると予想。同氏は23日にブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「債券利回りが上昇した1950年の時期を考察することを投資家に勧める。2%から5%に上昇するにはしばらく時間がかかったが、トレンドは上向きで、債券取引のロングでもうけられなくなった。それが今の状況に当たると思う」と語った。

  新興市場の投資家も気にかけている。金利急騰で楽観的だった3カ月前とは異なり、貿易摩擦や世界経済の成長減速の兆候など懸念材料が増えている。SEBのチーフ新興市場ストラテジスト、ペール・ハマールンド氏によれば、商品主導のインフレは金融引き締め加速につながる可能性があり、新興市場に偏った悪影響を及ぼすという。

企業の信用

  信用力が最も低い企業は低い指標金利から恩恵を受けてきたが、緩和マネーが消えて借り入れコストが上昇すれば、債務返済コストはさらに高まる。ただ、高利回り債のスプレッドは金融危機前以来の低水準付近にとどまっており、企業の信用は持ちこたえているようだ。

  ブリークリー・ファイナンシャル・グループのピーター・ブックバー最高投資責任者(CIO)はS&P500種株価指数の構成企業(銀行除く)の現在の債務水準が極めて高いことに言及し、「問題はこれがいつまで持続し得るかだ」と述べ、「当然のことだが、高い債務水準と金利上昇は最高の組み合わせではない」と指摘した。

原題:How 3 Percent Yields Could Reshape the Investing Landscape(抜粋)

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