Photographer: SeongJoon Cho

決済短縮化に身構えるレポ市場、国債出し手減少で異例のレート急低下

  • 5月1日から決済まで1営業日(T+1)化、当日決済(T+0)も
  • レポは決済で混乱が生じる可能性あるが一時的だろう-野村証
Photographer: SeongJoon Cho

国債取引の決済期間短縮を5月1日に控え、国債と現金を一定期間交換するレポ市場で国債の出し手が慎重になり、国債の確保が難しくなっている。従来より短時間で取引を処理しなければならず、決済の遅延リスクなども意識され、国債の需要を反映してレートは大幅低下。システム上の準備などは進み大混乱は予想されていないが、レポ市場が落ち着くまで時間がかかるとの見方もある。

  日本証券業協会がレポ金利の実勢を示す指標として毎営業日公表する東京レポレートでは、2週間物が20日にマイナス0.218%まで低下した。国債の約定から決済までの期間が2営業日(T+2)から1営業日(T+1)に短縮化される実施日が発表された3日以降から低下し始め、取引が5月1日をまたぐと下げが加速した。24日時点ではマイナス0.177%。国債需要が高まる期末以外でこれほど低下するのは異例だ。

  野村証券の中島武信クオンツ・ストラテジストは、「レポは決済までの時間がさらに短くなるのでリスクも高くなる。担保として国債を確保したい人がいる一方、決済で混乱が生じる可能性もある5月1日をまたぐ取引は国債を出す人が少なく、需給のアンバランスが生じている」と指摘する。ただ、「T+1化は議論が重ねられ、周知され、テストも行われており、仮に混乱したとしても一時的」だとみる。

  国債の決済期間短縮は、未決済残高を減らして取引相手が決済不能に陥った場合のリスクを抑えるのが目的だ。国債取引の終了後の資金や国債の調整に使われるGC(General Collateral)レポは1営業日から約定当日(T+0)の決済が必要になる。

  日本銀行はT+1化後にレポ市場の国債需給がタイト化する可能性があるとして、5月1日から11日までの国債補完供給の実施可能回数を1日2回から3回に増やすと発表した。

  東短リサーチの久保田和明研究員は、「T+0取引はリスクが高い。国債を確保できず日銀の補完供給に頼るとコストも膨らむ。結局、T+1取引に集約され、国債取引の後の夕方に集中しそうだ」という。東短リサーチの推計によると、現行でGCレポ残高80兆~90兆円の4割程度をT+2取引(含む仮約定分)が占めており、それがT+1取引に集中した場合に処理に支障をきたす可能性もある。

銘柄後決めGC

  レポ市場では時間短縮のため、約定後に銘柄を割り当てる「銘柄後決めGC」が導入される。「残存10年以下の利付債と国庫短期証券」のようなバスケットで取引され、日本証券クリアリング機構(JSCC)が約定済み取引に在庫国債銘柄を割り当てていく。取引様式は海外市場で標準的な新現先(反対売買条件付き売買)が採用され、日本独自の現金担保付債券貸借(現担レポ)から移行を促す。

  セントラル短資総合企画部の佐藤健司係長は、「投資家は決まった銘柄で取引したいため、銘柄後決めのメリットがあまりない。従来の銘柄先決めGCと手数料も異なり、レート差が生じる可能性もある」として、落ち着くまでしばらく時間がかかるとみる。

  5月1日は銘柄先決めGCから後決めGCへの移行が予想されるが、決済のネッティングができないため、決済量の急増が警戒されている。

  東短リサーチの久保田氏は、「まずは銘柄先決めGCでT+1にシフトし、決済事務をこなしてから新現先に移行し、それから銘柄後決めGCではないか」との見方も示しており、しばらく新旧の取引が両立する可能性もある。

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