東芝メモリー事業の売却で代替案も、中国の審査長期化で

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

東芝が進めている半導体子会社「東芝メモリ」売却について、中国当局の独占禁止法審査が長引いている影響で5月1日までに売却を完了させることは難しくなり、売却の中止や契約の再交渉など代替案の検討を迫られている。複数の関係者が明らかにした。

  東芝は当初、3月末までに東芝メモリをベインキャピタルを軸とする日米韓連合に2兆円で売却することを目指していたが、中国当局の審査が長引いており次の期限である5月1日までの売却完了を目指していた。開示されていない情報であるために匿名を条件に話した関係者の1人は、当局は現在5月28日までの予定で三次審査を行っている状況だと明かした。

  東芝は米原発事業の失敗で傾いた経営を立て直すため、昨年9月、稼ぎ頭の東芝メモリを日米韓連合に2兆円で売却することを決めた。だが、スマートフォンやデータセンター向けの需要が旺盛なメモリー事業の価値は現在少なくとも2兆4000億-2兆6000億円程度まで拡大しているとみられ、東芝にとっては新規株式公開(IPO)や売却契約の再交渉が検討に値する選択肢となっている。東芝は昨年12月には6000億円の第三者割当増資を実施しており、債務超過を回避した。

  毎日新聞は22日付の朝刊で5月末までに中国当局から承認が得られなければ東芝メモリの売却を中止する方針を固めたと報じた。東芝は23日、売却の取りやめを含むいかなる具体的な方針も決定していないと文書で発表した。東芝の株価は同日、一時前週末比5.3%高と5カ月ぶりの日中上昇率となった。

  1日に就任した車谷暢昭会長兼最高経営責任者(CEO)はインタビューで、東芝メモリの売却方針について「大きな変更がない限り、今のステータスで待つ」と述べていた。一方で、中国の承認を得られなかった場合は「そもそもディール自体が成立しない」とも指摘していた。

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