債券先物が上昇、需給引き締まり観測根強い-米金利上昇には警戒感も

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  • 長期金利は0.065%と3月以来高水準、その後0.055%まで値を戻す
  • 日銀オペ調整タイミング不透明、円債売り余力もない-メリル日本証

債券先物は上昇。前週末の米金利の大幅上昇や北朝鮮を巡る地政学リスクの後退を背景に売りが先行したものの、日本銀行の国債買い入れオペの金額に変化はないとの見方から、相場需給の引き締まりを見込んだ買いが取引終盤にかけて優勢となった。

  23日の長期国債先物市場で中心限月6月物は前週末比7銭安の150円51銭で取引を開始。午前の取引前半には一時150円43銭と、日中の取引ベースで2月8日以来の安値を付ける場面があった。その後はじりじりと値を戻し、結局は5銭高の150円63銭と、この日の日中高値で引けた。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「先週の20年債入札で利回り0.5%を下回る水準では買い需要が少ないということが確認されて高値警戒感が生じていたところに、米金利の上昇もあり、売りが先行した」と指摘。ただ、「日銀はオペの買い入れを増額したままで調整のタイミングが分からない。円債の売り余力もあまりないため、一段の金利上昇も見込みにくい」と言う。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の350回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.06%で寄り付き、一時は0.065%と、3月2日以来の水準まで上昇。その後は横ばいの0.055%までした。新発20年物164回債利回りは2bp高い0.55%と3月5日以来の高水準を付けた後、0.535%まで切り下げた。

  日銀はこの日、残存期間1年以下と1年超5年以下、物価連動国債を対象に買い入れオペを実施した。買い入れ額はいずれも前回から据え置かれた。結果は1-3年の応札倍率が前回から横ばいだった一方、1年以下と3-5年、物価連動債は前回を下回った。

過去の日銀オペの結果はこちらをご覧下さい。

  今週の債券需給に関しては、供給面では24日に2年利付国債入札が実施される半面、25日に長期と超長期ゾーンを対象にした日銀買いオペが控えている。

  国内債の外部環境の観点からは、原油高を受けたインフレ懸念を背景に米国の10年債利回りがアジア時間に2.98%程度と、2014年1月以来の高水準を付けるなど金利の上昇圧力が強まっている。メリル日本証の大崎氏は、「米長期金利は3%を超える可能性もあり、円債も金利低下一辺倒ではない」とみる。

  金利上昇を押さえる要因となっていた北朝鮮情勢を巡る地政学的リスクへの懸念も緩和している。北朝鮮は核兵器開発の目標を達成し、さらなる核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実験を停止すると金正恩朝鮮労働党委員長の発言を引用し、国営の朝鮮中央通信(KCNA)が21日伝えた。

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