ドル・円が一時1週間ぶり高値、米長期金利上昇で-107円台後半

更新日時
  • 一時107円73銭まで上昇し、2月下旬以来の高値に接近
  • 貿易戦争への懸念後退で売り方撤退している感じ-みずほ証

東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=107円台後半へ上昇し、一時1週間ぶり高値を付けた。日米首脳会談を通過し、目先の円高リスクへの警戒が弱まったほか、米長期金利の上昇がドルの支援材料となった。

  20日午後3時23分現在のドル・円相場は前日比0.2%高の107円53銭。朝方付けた107円36銭から一時107円73銭まで値を切り上げ、先週末に付けた2月下旬以来の高値(107円78銭)に接近した。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、米長期金利が2.9%に乗せても米株が大崩れせず、米金利の上昇に「素直に反応している」とドル・円の上昇を説明。地政学リスクや貿易戦争への懸念が後退した後にファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)に目が向くともう少しドル・円は上昇する可能性があるということで、「売り方が撤退してる感じ」と話した。

  米10年債利回りは19日の米国市場で一時2.93%と3月21日以来の水準まで上昇。20日のアジア時間の取引では2.91%台を中心に推移している。

  三井住友銀行市場営業部NYトレーディンググループの青木幹典グループ長(ニューヨーク在勤)は、「シリアや米中問題、日米首脳会談など、リスクイベントらしきイベントがなくなったので、リスクオフをやるような時間帯でもなくなった」とし、「リスクオンの円売りがじわじわと続くというイメージ」で、ドル・円は「緩やかに109円台を目指す」と予想した。

  一方、上田ハーローの小野直人ストラテジストはリポートで、米長期金利の2.9%台回復など「短期的なところではドル買い戻しが進みやすい状況で、ドル・円は底堅さが増している感じ」だが、地政学リスクや米国の通商政策、日米政治リスクなどは中長期での解決が必要な問題で、「ドル高が長続きするかは不明」と指摘した。
  
  麻生太郎財務相は20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれている米ワシントンで記者団に対し、保護主義はどの国にも利益にならないと述べた。麻生財務相とムニューシン米財務長官は現地時間20日午後に会談する。

  外為どっとコム総研の神田卓也取締役調査部長は、日米貿易摩擦への懸念が消えたわけではなく、日米財務相会談は注目だが、「為替にすぐにダイレクトに反応する材料は出にくそう」と予想。G20会議も即効性のある材料ではないとした上で、「反保護主義を米国以外で広く共有できれば、来週以降、市場安定化に向けた材料としてじわじわ効いてくるのではないか」と話した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE