トランプ大統領:米朝首脳会談に入念な準備-CIA長官訪朝が象徴

  • 「炎と怒り」といった過激発言封印し、融和的・外交的に振る舞う
  • かなりの不確実性は残る-大統領は会談中止になる可能性にも言及

トランプ米大統領は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との歴史的な首脳会談に向けて入念に準備している。入国制限や銃規制、移民対策など大統領による過去の政策発表の後に、やみくもなプロセスが続いたのとは非常に対照的だ。

  ホワイトハウスが進める準備は、ポンペオ中央情報局(CIA)長官による極秘の訪朝を含め、首脳会談が6月初めまでに実現する可能性が高まっていることを示唆する。トランプ大統領が金委員長からの会談の提案を先月受け入れた後、この野心的な日程については当初、多くの朝鮮問題専門家に加え、トランプ政権の一部にも懐疑的な見方があった。

  米朝双方は首脳会談の日程や場所など難しい問題について作業を進める一方、レトリックは抑制気味だ。事情に詳しい関係者によれば、会談場所にはスウェーデンやスイス、東南アジアなどが検討されている。

  かねて北朝鮮が「炎と怒り」に見舞われると威嚇したトランプ大統領だが、今ではこれを封印して金正恩体制に対する言葉遣いを融和的かつ外交的なものに改めている。また北朝鮮も昨年11月を最後に核・弾道ミサイル実験を行っていない。

4月18日、共同記者会見した安倍晋三首相とトランプ米大統領

フォトグラファー:Mandel Ngan / AFP via Getty Images

  トランプ大統領は18日、訪米した安倍晋三首相との共同記者会見で、「金正恩氏との会談を楽しみにしている。そして成功を期待している」と述べるとともに、「彼らはわれわれを尊重し、われわれも彼らを尊重していると言うことができる」と語った。

  米朝首脳会談の実現には、まだかなりの不確実性や作業が残っている。トランプ大統領は会談が中止になる可能性を警告。大統領が初の会談で金委員長から何を得たいのかや、北朝鮮側の米国への要求がどのようなものになりそうかは不明だ。大統領は北朝鮮が最終的に核兵器を放棄するのを期待すると表明するが、核兵器は金体制にとって誇りであり、軍事攻撃に対する実質的に唯一の抑止だ。

  だが米シンクタンク、新アメリカ安全保障センター(CNAS)でアジア太平洋安全保障プログラムのシニアディレクターを務めるパトリック・クローニン氏は、ポンペオCIA長官の訪朝は「トランプ政権による真剣な取り組みを裏付けるもう1つの兆候だ」とコメント。準備作業に「感心している」とした上で、「これまで基本的に閉じられていた国家の指導者と米大統領が初の会談を行うのに、どんなに準備してもし過ぎることはない」との考えを示した。

原題:Trump Trades ‘Fire and Fury’ for Diplomacy to Set Up Kim Meeting(抜粋)

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