朝鮮半島のDMZが消える?南北首脳会談で終戦合意なら-QuickTake

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  • 南北の軍事境界線を挟む幅4キロメートルの緩衝地帯がDMZ
  • 融和ムードが前回進んだのは第2回南北首脳会談があった07年

65年前に休戦協定は結ばれたものの、北朝鮮と韓国は技術的にはまだ戦争状態にある。だが、今年に入ると融和ムードが漂い、今月27日には板門店で南北首脳会談が行われる予定だ。韓国紙の文化日報によれば、同会談で軍事対決の終息を宣言する計画がある。協議の焦点の一部は、南北対立の象徴的存在で軍事境界線を挟んで幅4キロメートルにわたる非武装地帯(DMZ)になるかもしれない。

坡州市のDMZにある板門店

フォトグラファー:SeongJoon Cho / Bloomberg

◎非武装地帯(DMZ)とは?

  DMZは、1950年に始まった朝鮮戦争の休戦協定に北朝鮮と中国、米主導の連合軍が53年に調印して設けられた。韓国は調印していないが、協定の下、両軍は軍事境界線からそれぞれ2キロメートルずつ後退。このため、緩衝地帯の幅は4キロメートルとなっている。匿名の韓国当局者を引用した文化日報によると、今回の南北首脳会談の共同声明にはDMZの「原状回復」が含まれる可能性がある。

◎DMZには板門店の共同警備区域(JSA)以外に何があるか?

  野生生物だ。米ナショナルジオグラフィック誌はかつて、ツキノワグマやジャコウジカなど、希少動物や植物の楽園になっていると伝えた。

DMZに近い烏頭山統一天文台

フォトグラファー:SeongJoon Cho / Bloomberg

◎DMZ内で衝突はないのか?

  もちろんある。北朝鮮と韓国、米国の兵士が過去に何人も命を落としたが、特に陰惨だったのは1976年に米兵2人がおのを振るう北朝鮮の兵士に殺害された事件。2015年には、北朝鮮がDMZの南側に仕掛けたとみられる地雷で韓国の兵士2人が負傷した。

◎DMZはどうなるのか?

  原状回復ということになれば、DMZは消滅し、軍事境界線が国境になることになる。

楊口統一館の外にある記念碑

写真家:Jean Chung / Bloomberg

◎これほど平和に前回近づいたのはいつのことか?

  2007年だろう。韓国の盧武鉉大統領と北朝鮮の金正日総書記(いずれも当時)が平壌で会談し、北朝鮮経済を支援する方向で合意したほか、平和的統一を目指すとの前回2000年の第1回南北首脳会談での宣言に立ち返った。

◎07年以降の関係悪化の理由は何か?

  北朝鮮が核施設への査察団受け入れを拒否して、いわゆる6カ国協議が2008年に物別れに終わったほか、同じころに韓国では李明博氏率いる保守政権が誕生し、北朝鮮に対する「太陽政策」を転換した。さらに、10年に韓国の哨戒艦が沈没し46人が犠牲になった事件で、同国などは北朝鮮の魚雷によるものと断定、北朝鮮との関係を事実上断絶した。

原題:Goodbye DMZ? What an End to the Korean War Would Mean: QuickTake(抜粋)

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