中国、また米国抜く-ベトナム最大の輸出先、アジアへの影響力が拡大

  • トランプ氏は保護貿易に傾き、中国はその隙を突く
  • 特定市場への過度な依存はベトナムのリスク、TPPで市場多様化か

中国は昨年、ベトナムの輸出先として米国を抜いてトップに躍り出た。世界2位の経済大国によるアジア地域への影響がいかに広がっているかを示している。

  国際通貨基金(IMF)のデータよると、米国は2017年に中国に抜かれるまで15年にわたりベトナム製品の最大の買い手になっていた。ベトナム統計局によれば、今年1-3月(第1四半期)のベトナムの対中輸出は前年同期比33.5%増、対米輸出は20%増と中国の伸びが鮮明だ。

  中国はベトナムにとって強い影響力を持つ隣国で、アジアにおける地政学的な脅威にもなっており、ベトナムは対中依存とのバランスを取るため米国に頼ってきた。だが、トランプ大統領が保護貿易政策で内向き姿勢を強める中、中国は東南アジアとの貿易や投資を増やしその隙を突きつつある。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のシンガポール在勤エコノミスト、ユージニア・ビクトリノ氏は「アジア貿易の中心は米国から中国に明らかにシフトした」と指摘。「保護貿易主義は助けにならず、アジア諸国は通商に関して中国のウエートが大きくなっていることをますます実感することになるだろう」とコメントした。

Export Fight

Asian nations' exports to the world's two largest economies

Source: International Monetary Fund

Note: Data as of 2017

  この10年で中国は日本や韓国、タイ、インドネシア、フィリピンなど多くのアジア諸国最大の輸出市場として米国に取って代わってきた。一方、インド製品の対米輸出は依然として中国を上回っており、アジアでは数少ない国の一つだ。

  IMFがまとめた輸入データによると、ベトナムの対中輸出は17年までの10年間で10倍強の506億ドル(約5兆4300億円)に急増。一方、対米輸出は465億ドルと4倍増にとどまった。

  ベトナムの17年の輸出の対国内総生産(GDP)比は約100%に上っており、一つの市場に過度に依存することにはリスクもある。これに対処するため、ベトナムは3月に他の10カ国と共に環太平洋連携協定(TPP)に署名した。

  ハノイを拠点とするエコノミストで、国連開発政策委員会のメンバーを務めるレ・ダン・ゾアン氏は、「ベトナムは中国の買い手依存を避けるため、市場の多様化を進める必要がある」と指摘。「TPPの実現が近づき、それによる恩恵を受けられるようベトナムは万全の準備をしておかなければならない」と話した。

原題:China Replaces U.S. as Top Export Market in Another Asian Nation(抜粋)

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