ドル・円上昇、株高が支え-日米通商協議への警戒が後退

更新日時
  • 通商問題、踏み込んで強い要求してくるとは想定しにくい-ソシエテ
  • 会談での通商問題、3割くらいが楽観的な見方も-三菱UFJ信託

東京外国為替市場のドル・円相場は上昇。日本株の上昇に連動する形で、ドル買い・円売りが強まった。市場関係者が注目している2日目の日米首脳会談での通商協議についても、相場への影響は限定的との声が出ている。

  ドル・円相場は18日午後3時38分現在、前日比0.3%高の1ドル=107円33銭。日本株が寄り付きから堅調に推移する中、ドル・円も仲値でのドル不足を伴って上昇。午後にかけて日経平均株価が上げ幅を拡大すると、一時107円39銭まで上値を切り上げた。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部為替課の池島俊太郎課長は、ドル・円の上昇について「米株が好調な企業決算で上昇する中、日経平均もなかなか抜けなかった2万2000円を回復し、リスクセンチメントが改善した」と指摘。日米首脳会談については、「経産相が参加しておらず、直感的には3割くらいが日米通商問題について楽観的な見方をしている。実際に何もなく終わり、残りの7割くらいが買いに出たところでドル・円が108円を超えるかどうかとなりそう」と述べた。

  米フロリダ州にあるトランプ大統領の別荘で17日から始まった日米首脳会談について、西村康稔官房副長官は、大統領が北朝鮮問題について日本のために最善となるようベストを尽くすと発言したと説明。また、経済については、2日目の会談でも引き続き議論すると述べた。トランプ大統領と安倍晋三首相は18日の米東部時間午後5時30分(日本時間19日午前6時30分)に共同会見を予定している。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)マーケッツ本部の吉利重毅外国為替・コモディティー営業部長は、米国側が二国間で個別に貿易協定について協議したいというスタンスは事前の報道などで分かっているとし、「日米も自由貿易協定に向けて協議を続けていくという形になるのではないか」と指摘。「そこに向けて具体的な数字や為替について何らかの言及がなければ、ドル・円は安心感から107円後半まで上がる可能性がある」とみている。

  ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は、1日目の日米首脳会談では「国内で厳しい状況にある安倍首相に対して、外交面で米国は北朝鮮のお土産を持たしていくれた印象」と述べ、「通商問題などで踏み込んで強い要求をしてくるとは想定しにくい」と語った。

  トランプ米大統領は安倍首相との会談の際に、米国が「北朝鮮との直接の対話を始めた」と発言し、北朝鮮と極めてハイレベルで直接対話を開始したことを明らかにした。これに関連し、ワシントン・ポスト紙がポンペオ米中央情報局(CIA)長官が北朝鮮を極秘訪問し、金正恩朝鮮労働党委員長と会談したことを伝えた。また、北朝鮮情勢を巡っては、韓国の聯合ニュースが韓国と米国は、朝鮮戦争の休戦協定を平和協定に転換することを北朝鮮との首脳会談で目指す可能性があると、青瓦台(韓国大統領府)高官を引用して伝えた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE