Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

中国はアメとムチのアプローチ採用-米中貿易戦争の火種くすぶる

更新日時
  • 中国は自動車合弁の外資出資制限を撤廃する計画発表
  • 米のグレイン・ソルガムには反ダンピングの保証金徴収

2つの強国の貿易戦争の火種がくすぶり続ける中、中国は17日、米国に対してアメとムチのアプローチを採用した。

  中国政府はフォード・モーターなどの外資系自動車メーカーに合弁事業の外資出資制限を撤廃すると約束すると同時に、米国から輸入するグレイン・ソルガムについて反ダンピングの保証金を徴収すると発表した。中国は経済の一部の分野を開放することに前向きである一方で、米国の保護主義の高まりに対応する構えも同時に見せるというメッセージを米政府に送った形だ。

  中国からの最大1500億ドル(約16兆円)の輸入品への関税賦課計画を実行するかどうかを検討するトランプ大統領にとって問題は、中国が示した譲歩と輸入制限のどちらを重視するかだ。大統領は今週、中国の通貨政策を攻撃するとともに、米国にとって不可欠な技術を中国の通信機器メーカー、中興通訊(ZTE)に売ることを禁止し、強硬姿勢を示した。

  ムニューシン米財務長官は17日のCNBCとのインタビューで、 中国が通貨切り下げゲームに興じているとのトランプ大統領の非難について、通貨安誘導がもたらし得る結果に関する「警告射撃」だと指摘しながらも、米中貿易摩擦を解消する合意を「慎重ながらも楽観している」と述べた。長官は先週、「大統領はこの問題に個人的に関与している」と記者団に語っていた。

控えめな反応

  クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、貿易を巡る中国の新たな動きに対して控えめな反応を示した。17日の記者ブリーフィングで同委員長は「中国が規制の在り方に関してわれわれの方向に歩み寄り、障壁を低くしているなら良いことだ。しかし、農作物問題で見られるように、障壁を引き上げるなら、良くないことだ」とコメントした。

  中国政府当局者は貿易戦争を望まない考えを繰り返し示しているが、必要な場合にはトランプ政権の通商政策に「最後まで」戦うと言明している。

  トランプ大統領は既に航空宇宙やロボティクス、機械などの産業を標的に中国製品500億ドル相当の関税を提案したほか、さらに1000億ドル相当の製品を対象とする可能性も示している。これに対し、中国は大豆や自動車、化学品、航空機など米国から輸入する約500億ドル相当の製品に25%の関税計画を表明しており、17日には米国産グレイン・ソルガムに反ダンピングの保証金を徴収すると発表した。

  ホワイトハウスのウォルターズ報道官は「米国のソルガム生産者を不当に標的にした措置を含め、中国によるさらなる違法な通商措置は受け入れられないと大統領は明言している」と説明。「自動車や船舶、航空機の分野での差別的な慣行を巡る長年の米国の懸念を中国が認めていることを評価するものの、政策変更の実施を待ち望む」姿勢を示した。

原題:China Offers Carrots and Stick as U.S. Trade Tensions Simmer (3)(抜粋)

(クドローNEC委員長やホワイトハウス報道官の発言などを追加します.)
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