福田財務次官が辞任、セクハラ発言疑惑で批判相次ぐ-職務困難に

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  • 当面矢野官房長が代行-財務次官、国税庁長官不在の異例の事態に
  • 福田氏は事実関係を否定、裁判で争う方針、録音の声も認識できず

福田事務次官

Photographer: JIJI PRESS/AFP
Photographer: JIJI PRESS/AFP

麻生太郎財務相は18日夕、福田淳一事務次官の辞任を発表した。複数の女性記者へのセクハラ発言疑惑を受け、与野党からの批判が高まり、職務の遂行が困難と判断した。森友学園に関する公文書改ざん問題で佐川宣寿前国税庁長官も辞任に追い込まれており、事務方の両トップ不在という異例の事態となる。

  麻生財務相は、福田氏からの辞任の申し出を認め、閣議での承認を経て発令すると語った。次官の職務は当面、矢野康治官房長が代行する。福田氏は1982年に大蔵省(現財務省)に入省。官房長、主計局長を経て、2017年7月に事務次官に就いた。佐川氏や元国税庁長官の迫田英典氏も同期入省だった。

  12日発売の週刊新潮は、福田氏が複数の女性記者にセクハラ発言をしていたと報道。その後、ウェブサイトで発言の音声を公開した。同氏は財務省による調査に対し、事実関係を否定するとともに、辞任しない意向を表明。報道内容が名誉棄損(きそん)に当たるとして新潮社を提訴する方針を示していた。

  福田氏は18日、同省内で記者団に対し、「現在の状況では職務を果たせない」と辞任の理由を説明。「週刊誌に掲載された記事は事実と異なる」と述べ、裁判で争う考えを改めて表明。「セクハラの認識はない。録音された声が自分のものかは分からない」としながらも、「報道が出ること自体、不徳の致すところ」と語った。 

  麻生財務相は12日の参院財政金融委員会で、森友問題で同省に厳しい目が向けられている中、「緊張感を持って行動するよう」福田氏に対し口頭で厳重に注意したと答弁。13日午前の会見では「事実ならアウト」としたものの、「今の段階で処分は考えていない」と発言していた。
  
  共同通信によると、自民党の二階俊博、公明党の井上義久両幹事長は18日午前、福田氏のセクハラ疑惑に関し、福田氏自らが説明を尽くし、早期にけじめをつける必要があるとの考えで一致。同日の衆院議院運営委員会では福田氏の問題などへの対応を優先すべきだとして、野党が米ワシントンで19日に開幕する20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議への麻生財務相の出席に反対していた。

  同省が外部弁護士に委託して福田氏への調査を続けるとともに、「福田次官からの聴取だけでは事実関係の解明は困難」として、記者クラブ加盟各社の女性記者に情報提供を求めたことに対しても批判が相次いでいた。

  共同通信によると、テレビ朝日の女性記者が被害を受けていたと同社が18日夜の番組「報道ステーション」で明らかにした。録音しており、事実関係が確認されたという。

  ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミストは「財務省にとって苦しい時期はまだ続く。辞任は単に現在の状況が悪化するのを防ぐためのもの。安倍政権の支持率が戻るとは考えにくい」と指摘。財務省の信頼が大きく損なわれ、「中長期の日本の財政政策、財政健全化に影響があるのではないか」との見方を示した。

(被害者をテレビ朝日が公表したことについて、第8段落に追加します.)
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