トランプ米大統領の金融規制緩和、ウォール街に恩恵もたらすのか

  • 規制緩和そのものは「革命的な変化」にはならないと専門家は予想
  • 自由になる資本の見積もりはさまざま-株主還元に回るとは限らない
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

トランプ米大統領が進める金融規制緩和が本格化すれば、ウォール街にはどの程度の恩恵があるのだろう。

  米連邦機関は先週、金融危機後に導入された規制の幾つかを緩める案を公表した。損失吸収能力を高める資本要件や経済危機を乗り切る力を測るストレステスト(健全性審査)、レバレッジ制限をそれぞれ見直すというものだ。

  連邦準備制度理事会(FRB)は10日にストレステストの緩和を提案。11日にはFRBと通貨監督庁(OCC)がレバレッジ比率規則の変更案を示した。

  こうした動きは銀行が資本として保持を強いられていた資金の活用を可能にするが、実際の緩和は大規模なものとはならないとの見方があるほか、現実に利用可能となる金額についてもさまざまな見積もりがある。

  「革命的な変化にはならない」と述べるのは、ニューヨーク連銀の元当局者で現在はプライスウォーターハウスクーパーズのパートナー、マイケル・アリックス氏だ。「FRBは資本水準はまあまあ妥当だとしており、ストレステストも残るだろう」という。

  レバレッジ比率規則の変更案で、FRBは銀行持ち株会社が活用できるようになる資本を4億ドル(約430億円)と見積もった。だが、この余剰資本の規模は銀行子会社では1210億ドルに膨らむという。

  ストレステストとリスク加重資産を巡る変更では、業界全体で300億ドルを万一に備えた資本から解放できると見積もられている。

  だが、こうした資金が配当や自社株買いに回ると考えるのは早計だ。銀行子会社で自由になる1210億ドルは株主還元に自由に使えるわけではない。親会社である持ち株会社に制限がかかっているためで、子会社に可能なのは資金を親会社に移管し、そこからノンバンクや証券会社、外国銀行などの部門事業に回すことだ。

原題:If Fed Moves Unlock Billions at Banks, Here’s Who Might Win Most(抜粋)

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