【日本株週間展望】小幅高、貿易摩擦への懸念後退-シリア情勢は警戒

  • 米中は交渉で貿易問題解決との期待、為替は1ドル=107円台で安定
  • 米国のシリア攻撃、「すぐに起こるかもしれない」とトランプ大統領

4月3週(16ー20日)の日本株相場は小幅高が予想される。米中間の貿易問題に関する市場の過剰反応が収まりつつあり、米国経済の好調や為替相場の安定を見直す買いが先行しそう。ただ、米国などがシリアへの軍事行動に踏み切ればリスク回避の株安となる可能性がある。

  トランプ米大統領は、中国政府が市場開放に前向きなら、米中間の貿易戦争を回避できるかもしれないと述べた。中国の習近平国家主席は銀行から自動車製造まで多岐にわたるセクターを開放すると明言しており、交渉で妥協点を見いだすとの期待が出ている。トランプ大統領が3月初めに鉄鋼・アルミ関税賦課を表明して以降、米中間の貿易戦争で世界経済が減速するとの懸念から下押ししていた日本株に対する投資家心理は改善している。

トランプ米大統領

Photographer: Luke Sharrett/Bloomberg

  米フロリダ州で17、18日に開催される日米首脳会談に注目が集まる。米国が自由貿易協定(FTA)の交渉を要求するとの警戒感はあるが、三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、中国の知的財産権侵害に対する世界貿易機関(WTO)への提訴で日本とEUに参加を求めた経緯から、通商政策で強硬姿勢を取らないとみる。相場へのマイナス影響の可能性は低そうだ。また、為替相場が1ドル=107円台で落ち着き、業績悪化懸念は後退している。

  米国では16日に3月の小売売上高と4月のニューヨーク連銀製造業景況指数、17日に3月の住宅着工件数と3月の鉱工業生産指数が発表される。市場予想は小売売上高が前月比0.4%増(前回は同0.1%減)、住宅着工は年率換算127万戸(同124万戸)。米消費の好調が示されれば日本株に追い風となる。一方、シリア情勢をめぐる不安は続く。トランプ大統領はシリアでの化学兵器使用疑惑への対応策を国家安全保障チームと協議しており、実際に攻撃が実行された場合、初期反応として昨年4月のような円高・株安が想定される。第2週の日経平均株価は週間で1%高の2万1778円74銭と3週連続で上昇。

  • ≪市場関係者の見方≫

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長
  「堅調だろう。米国と中国が本格的な貿易戦争に突入する可能性は低いとの見方が市場に浸透しつつあり、世界経済減速への警戒感が弱まりそう。貿易摩擦が拡大した場合、米国にはコストアップ要因となり、中国も景気のスローダウンを招くリスクを秘めるため、通商問題に関する材料へのマイナスの影響は緩和していく。日米首脳会談では貿易不均衡について日本に注文がつく可能性があるものの、トランプ大統領は1対1の話し合いの中で厳しい要求はしないだろう。日経平均の予想PERは13倍を下回っており、4月最終週から本格化する決算発表が想定内なら、割安修正の買いが膨らむとみている」

東京海上アセットマネジメントの橋爪幸治シニアファンドマネジャー
  「好材料は乏しいものの、悪材料は株価に織り込んだ上、買い戻し圧力も継続するため様子見ムードが広がりそう。相場は減速気味の米景気を織り込んでおり、指標が悪くても影響は乏しい。一方、決算発表の本格化前で、良い指標が出ても買い材料にはなりづらい。日米首脳会談では自動車などで日本が譲歩を迫られる可能性があり、輸出関連株にとっては悪い材料しか出てこない恐れがある。ただ、通商政策などの外部要因や企業業績のガイダンスリスクを織り込んで売り込まれ、海外投資家中心にポシジョンがショートに振れた後とあって、株式需給は良好だ」

三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジスト
  「上昇を予想する。米国経済は雇用や消費好調を受けて内需主導で堅調に拡大、減税や歳出拡大の効果が表面化して米経済の成長率は18年が2.7%、19年は2.4%を想定する。米国発の世界経済失速の懸念は杞憂(きゆう)で、景気敏感の日本株に買い安心感が広がる。為替相場安定もサポート要因だ。三井住友AMの調査では日本企業224社の今期経常利益(金融除く)は1ドル=110円前提で8.8%増と、増益基調は維持できる見込み。一方、米国などがシリア攻撃に踏み切れば、昨年4月のようにリスク回避となって一時的に円高・株安の場面がありそう」

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