ファーストリテイリング、5月にも1000億円超の大規模な起債を検討

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  • 2015年12月以来2年半ぶり、今年度最初の大型案件に
  • 起債が実現すれば前向きに検討、人気化の可能性も-投資家

衣料品ブランド「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが、1000億円を超える大規模な社債発行を検討していることが分かった。海外展開や電子商取引(EC)強化が狙いとみられ、実現すれば初起債した2015年12月以来2年半ぶり。今年度最初の大型案件になる見通しだ。

  事情に詳しい複数の関係者によると、発行額は1000億円を上回るとみられ、主幹事はすでに複数の国内証券会社に内定。投資家側にも水面下で投資準備を促すなど本格的な準備を進めており、早ければ5月に複数本立てで利率などの条件を決定、発行に踏み切るとみられる。

  同社関係者によると、今後の投資で資金が必要になってくるのは海外出店と、ECや社内向けのシステム開発だという。国内店舗数が飽和状態に近づくなか、同社は海外出店を加速化。今期(18年8月期)のユニクロ出店予想は、国内は横ばいの831店を維持する一方、海外は157店増の1246店。順調に伸びている中国や東南アジアのほか、欧州市場の開拓も急ぐ。また、出遅れていたEC事業強化に向けてシステム開発にも投資する。ユニクロ事業の売上収益を22年度までに17年度の1兆5400億円から2倍にする目標を掲げている。

ユニクロの店舗

Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg

  前回債は、日本の事業会社のデビュー債としては過去最大の総額2500億円に達した。年限は3年、5年、7年、10年の組み合わせで、成長を支えるグローバル化とデジタル化への投資資金に充当した。

  同社の広報担当者は、起債についてコメントを控えた。

投資家の期待

  今回のように1000億円超の大型案件になると、高格付けでも金利の上乗せが期待でき、低金利下で運用難の債券投資家にとって格好の資金振り分け先となる。複数の投資家は、起債が実現すれば前向きに検討すると話した。また、別の投資家は大型案件と聞いており、一定のボリュームプレミアムも見込まれるので、人気化する可能性が高いと話した。

  ニッセイ基礎研究所の徳島勝幸金融研究部主席研究員は、小売り業態は歴史的にみて業績の安定性があまりないと指摘。「ソフトバンクグループと同じく後継者問題などのマネジメントリスクも存在するため、投資家は年限や発行水準を慎重に吟味する必要があり、起債されれば短い年限が選好されるだろう」と話した。

  Fリテイリの発行体格付けは日本格付研究所でAA。12日に発表された18年2月期の純利益は前年同期比7%増の1041億円で、通期業績予想は従来の1200億円から1300億円に上方修正している。

(第7段落にアナリストコメントを追加しました.)
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