Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本株3日ぶり反発、米政策懸念の後退と円安-輸出や素材、海運高い

更新日時
  • トランプ大統領はTPPの復帰を検討、対シリアは小康状態
  • 為替は1ドル=107円40銭台、米金融株高受け銀行や証券も堅調

13日の東京株式相場は3日ぶりに反発。米国の通商、対シリア政策への過度な懸念が後退し、為替の円安推移も好感された。電機や機械など輸出株、鉄鋼など素材株、銀行など金融株が高い。世界貿易や中東情勢への警戒感が和らいだ海運株は、業種別上昇率でトップ。

  TOPIXの終値は前日比10.84ポイント(0.6%)高の1729.36、日経平均株価は118円46銭(0.5%)高の2万1778円74銭。

  東京海上アセットマネジメントの橋爪幸治シニアファンドマネジャーは、「グローバル経済が後退に向かうかもしれないタイミングで、物の流れを止めるような関税の引き上げは良くない。むしろ、TPPのように関税障壁を少なくし、持続的な景気回復をグローバルにエンジョイすべきところ」と指摘。通商問題のエスカレート懸念など「株価が下に振れる外部要因は、いったん織り込んだ」との見方を示した。

東証内

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  トランプ米大統領は、米国と中国は最終的に新たな関税を相互賦課しなくて良くなる可能性があると発言したほか、環太平洋連携協定(TPP)への復帰を検討していることを明らかにした。また、シリア攻撃が差し迫っていないことも示唆した。

  12日の米10年債利回りは2.84%と6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。きょうの為替市場では、ドル・円が1ドル=107円40銭台と前日の日本株終値時点106円93銭からドル高・円安方向に振れた。

  ちばぎん証券の大越秀行株式部長は、「シリア情勢は昨年のようにミサイル発射が限定的なら、市場に大きな影響があるとは思えない、米中貿易も含めた悪材料は懸念の段階で、株式相場はいつまでも懸念だけで動かない」と話す。市場が注視する次の材料は決算で、「企業の期初計画はかなり減益がありそうだが、5ー10%の減益を織り込んでも今の日本株は割安圏」とみている。

  業種別では輸出や素材、海運など景気敏感セクターが買われ、銀行や証券株も高い。12日の米市場ではブラックロックの1ー3月(第1四半期)利益が市場予想を上回り、S&P500種株価指数の11セクターのうち、金融は上昇率1位だった。13日にはJPモルガン・チェースやシティグループの決算発表も控える。海外金融株高の流れは、日本の金融株を後押しした。

  もっとも、日経平均は午前半ばに一時257円高まで上げ幅を広げたが、その後は伸び悩み。今期営業利益計画の上方修正を材料に一時3.5%高まで上げたファーストリテイリングは、足元の株価位置の高さが意識され失速。決算や株主還元を受け朝方はプラスで始まった安川電機も、結局安く終えた。大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、「2月以降の株価下落で先進国や新興国の景況感悪化は鮮明になっている。市場は以前に比べリスク材料に敏感」と言う。シリア情勢も、「原油価格が跳ね上がると景気に対する警戒感が広がりやすくなる。いったんは落ち着いても、不透明材料として意識しておく必要がある」と指摘した。

  東証1部33業種は海運、鉄鋼、銀行、機械、非鉄金属、証券・商品先物取引、パルプ・紙、電機など26業種が上昇。下落はサービスや医薬品、小売、食料品など7業種。売買代金上位では、モルガン・スタンレーMUFG証券が投資判断を上げた三井金属、センサー事業改善に期待とメリルリンチ日本証券が指摘したTDKが高い。半面、前期のメディア事業の減速が想定以上と受け止められたディップは大幅安。資生堂やエムスリーも下げた。

  きょうの取引開始時に算出された日経225オプション4月限の特別清算値(SQ)は、12日の日経平均終値(2万1660円28銭)を193円64銭上回った。

  • 東証1部の売買高は15億2766万株、売買代金は2兆4391億円
  • 値上がり銘柄数は1368、値下がりは638
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