4月12日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドル上昇、米ロ緊張緩和とTPP復帰の可能性で

  12日のニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇。シリア情勢を巡るロシアと米国の対立が緩和したとの見方から買いが入った。トランプ米大統領は環太平洋連携協定(TPP)に米国が復帰する可能性を模索すると議員らに話したと伝わり、融和的な姿勢に転じたと受け止められた。

  トランプ大統領はシリア攻撃について、「すぐに起こるかもかもしれないし、当分起こらないかもしれない」と述べ、攻撃が差し迫っていないことを示唆した。ロシア指導部も冷静な対応を促し、戦争に関する発言を抑えた。トランプ大統領はまた、シリア対応を巡って国家安全保障会議(NSC)を開催すると明らかにした。

  ニューヨーク時間午後4時59分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.1%上昇。ドルは対円で0.5%上げて1ドル=107円35銭。対ユーロでは0.3%上げて1ユーロ=1.2327ドル。

  ユーロは一時、1.2300ドルまで下げた。欧州中央銀行(ECB)政策委員会の議事要旨はハト派なトーンとなった。議事要旨によると、メンバーは3月の会合で、地政学的な緊張が世界の成長見通しに影響を及ぼす可能性があるとの見方を示した。さらに、「貿易対立のリスク」に「幅広い懸念」を表明。「この対立が全関係国の経済活動に悪影響を及ぼすリスクが高まった」と指摘した。

  ドルは一時、107円43銭まで上昇した。過去1カ月、突破が困難な水準になっている107円50銭を前に上昇の勢いが弱まった。

欧州時間の取引

  ドルは対ユーロで4日連続で下げていた流れが止まった。ドルの買い戻しが入ったほか、トランプ米大統領のシリア情勢を巡る決定を見極めたいとの雰囲気が強かった。
原題:Dollar Pares Gains as Fears on Trade and Syria Decrease(抜粋)
Dollar Climbs, Yen and Swiss Franc Fall as Syrian Tensions Ease(抜粋)
Dollar Climbs, Gains Limited as Traders Await Trump’s Syria Call(抜粋)

◎米国株・国債・商品:株反発、トランプ大統領がTPP復帰検討

  12日の米金融市場では株式相場が反発し、国債は下落した。トランプ大統領が環太平洋連携協定(TPP)への復帰を検討していると報じられたことが手掛かり。

  • 米国株は反発、トランプ大統領がTPP復帰を検討
  • 米国債は下落-10年債利回り2.84%
  • NY原油は続伸、3年ぶり高値-中東リスク警戒
  • NY金は反落、2週間ぶりの大幅安-シリア攻撃巡る不安和らぐ

  貿易を巡るダイナミクスの変化を市場が見極めようとする中、S&P500種株価指数とダウ工業株30種平均はともに上昇した。トランプ大統領はまた、シリアへの軍事行動を巡る決定は「間もなく」行われるとした。前日にはシリアへのミサイル攻撃に対して、ロシアに「準備せよ」と警告していた。

  S&P500種株価指数は前日比0.8%高の2663.99。ダウ工業株30種平均は293.60ドル(1.2%)上昇し24483.05ドル。米国債市場では、10年債利回りが6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し2.84%。 

  JMPセキュリティーズの株式ディレクター、トム・ライト氏は「きのうはホワイトハウスのトーンや大統領のツイートが懸念材料となり、リスクオフのセンチメントが広がった」とした上で、「きょうはずっと異なるメッセージが伝わり、ほぼ全セクターにわたって幅広く上昇した」と続けた。

  ニューヨーク原油先物市場のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は続伸。約3年ぶりの高値をつけた。中東の情勢緊迫化が紛争につながり、石油輸出国機構(OPEC)の減産で既に縮小している原油供給に混乱が生じるとの警戒が広がった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日比25セント(0.4%)高の1バレル=67.07ドルと、2014年12月以来の高値で終了。ロンドンICEの北海ブレント6月限は4セント下げて72.02ドル。

  ニューヨーク金先物相場は反落。2週間ぶりの大幅安となった。トランプ米大統領がシリア攻撃について、差し迫っていない可能性を示唆したことから株価とドルが上昇。貴金属に逃避する動きが後退した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前日比1.3%安の1オンス=1341.90ドルで終了。3月28日以来の大幅下落となった。

  トランプ大統領はこのほか、中国との貿易戦争の懸念を高めるような発言を抑えた。大統領は、10日の習近平・中国国家主席の融和的な発言を受けて、米中は最終的にお互い関税を賦課しなくてよくなる可能性があると述べた。

  この日は金融機関の銘柄が大きく上昇。ブラックロックの1-3月(第1四半期)の利益は市場予想を上回った。13日にはJPモルガン・チェースとシティーグループの決算発表が予定されている。

  市場ではこのほか、金融政策を見極めようとする動きも続いている。前日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事録では、当局者らの姿勢が引き締めペースの若干の加速に傾いたことが示された。

  プルデンシャル・ファイナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、クインシー・クロスビーは、米連邦準備制度理事会(FRB)の「パウエル議長の発言から判断すれば、株式市場がより一層ダメージを受けない限り、金融当局は株価の動きを利上げペース減速の理由にはしないことは極めて明確だ」と指摘。「変動の大きい市場を金融当局が直ちに救いに来るなどと市場参加者は期待すべきでないということを、パウエル議長は極めて明確にしている」と述べた。
原題:Stocks Rise as Trump Shakes Up Trade Landscape: Markets Wrap(抜粋)
Oil Closes at 3-Year High on Middle East Risks, OPEC Compliance
PRECIOUS: Gold Posts Biggest Loss in Two Weeks as Angst Eases

◎欧州債:英国債が下落、イングランド銀が今週の買い戻し終了

  12日の欧州債市場では、英国債が下落。イングランド銀行による今週の買い戻しが終わり、午前には外国勢の一定の売りが見られた。ロンドンを拠点とするトレーダーが述べた。

  スペイン債はアウトパフォーム。13日の欧州市場引け後に予定されるムーディーズの格付け判断が注目されている。ムーディーズはスペインの格付けを「Baa2」から「Baa1」に引き上げる可能性。

  イタリア債は大規模な入札を実施した後、下げ幅を縮小。30年債入札の応札倍率は前回入札に比べて低下した。

  英10年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.45%。先週木曜日と同様の動きとなった。
原題:Gilts Fall as Buyback Momentum Fades; End of Day Curves,Spreads(抜粋)

(NY外為、米国株・国債・商品を更新します.)
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