習主席を敬愛するドゥテルテ大統領-フィリピンの中国愛は本物か

  • 関係改善の恩恵、「大きな」ものではないとの指摘も
  • 中国より日本からの融資の方が条件が良い-ペルニヤ長官

フィリピンのドゥテルテ大統領

Photographer: Qilai Shen/Bloomberg
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

フィリピンのドゥテルテ大統領は中国政府を称賛し、習近平国家主席については大好きだとまで言い放った。中国の海南島で今月開かれた「博鰲(ボアオ)アジアフォーラム」に参加するため、同大統領は3回目の訪中を行った。

  ドゥテルテ大統領は3月9日の記者会見で、フィリピンの「誰よりも、私は中国を必要としている」と明言。同大統領が進める1800億ドル(約19兆円)規模のインフラ整備構想において中国の支援は「非常に重要な要因」だと述べた。

  2016年6月末に就任したドゥテルテ大統領の中国重視政策は、特に観光業と投資の分野において経済的な成果を上げつつあるようだ。ただ、フィリピンは日本や米国、韓国、オランダといった従来からの重要な貿易相手国への依存も引き続き大きい。

観光

Visitor Boom

China zooms past the U.S. to become the Philippines' second-largest tourism market

Source: Department of Trade and Industry

  ドゥテルテ政権下で、中国からフィリピンを訪れる観光客が急増。17年は100万人近くと、15年から倍増した。最も多い海外からの観光客は韓国人だ。

投資

Surging Investments

China's foreign direct investment almost tripled under Duterte

Source: Bangko Sentral ng Pilipinas

  ドゥテルテ大統領が就任した16年、中国からの対フィリピン直接投資は約20倍の水準に膨れ上がった。だが他国と比べると、中国からの投資はまだ見劣りがする。

融資・援助

China Aid Returns

Support started flowing again since Duterte came to power

Source: National Economic and Development Authority

  南シナ海での領有権を巡る中国との対立が再び目立つようになった11年以降、中国からの援助は縮小し、アキノ前政権最後の2年間は消えたも同然だった。フィリピン財務省によれば、中国は今、マニラの橋2本のプロジェクトを含む、さまざまなインフラ事業向けに73億4000万ドルの融資・援助を約束している。

貿易

Widening Trade Deficit

Philippine exports to China can't catch up with rising imports

Source: Bangko Sentral ng Pilipinas

  中国はここ2年、フィリピン最大の貿易相手国だ。ただフィリピンの輸出市場としては、日本や米国の方が大きい。フィリピンの輸入は中国からが最も多く、フィリピンの対中貿易赤字が膨らんでいる。両国政府は6年間のドゥテルテ政権中に貿易収支均衡を目指す方針。

本当のところはどうか

  ワシントンにある戦略国際問題研究所(CSIS)のグレゴリー・ポーリング研究員は電子メールで、フィリピンと中国の関係改善に伴う恩恵は、両国政府の当局者が言うような「大きな規模には程遠い」と指摘。中国が表明している融資・援助はまだプロジェクト実施につながらず、貿易・投資パートナーとしても中国は他国に大きく出遅れているとコメントした。フィリピン経済開発庁のペル二ヤ長官は今年2月、中国より日本からの融資の方が条件が良いと述べた。

  また、米エネルギー情報局(EIA)によると、南シナ海でフィリピンが領有権を主張する海域には天然ガス推計4兆立方フィートが存在する可能性がある。南シナ海を巡る「対立にうまく対応する長期的な取り決めに両国は2年前と比べ全く近づいていない」と、ポーリング研究員は論じた。

原題:‘I Need China’: Duterte’s Pivot to Beijing Starting to Pay Off(抜粋)

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