FOMC議事録:物価よりも景気への影響重視-米の保護主義傾斜で

  • 物価への関税賦課の影響、一時的なものにとどまる可能性
  • 景気や金融市場に対する影響の方が金利政策に一段と重要

トランプ米政権の保護貿易主義への傾斜は、輸入物価の上昇を通じたインフレ高進と、信頼感低下や金融情勢の引き締まりに伴う景気減速という、2つの課題を米金融当局に突き付ける可能性がある。このうち当局が一段と重視しているのは、景気への悪影響の方であることが最新の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で浮き彫りとなった。

  11日に公表された3月20、21両日のFOMC議事録では、「大多数の参加者が他国による報復的な通商措置の可能性や、通商政策に絡んだ他の問題、不確実性を米経済の下振れリスクとして受け止めている」ことが示された。関税賦課の場合の一時的な物価上昇よりも、経済活動を巡る懸念の方にはるかに大きな重点を置いた形だ。

  結局、物価への関税賦課の影響は原油相場の2011年の急騰と14年の急落に類似し、当局者がよく言及するような「一時的」なもので、政策金利への含意はほとんどないと考えられる。

  ミネアポリス連銀のマーク・ライト調査局長はインタビューで関税に関し、「われわれの政策に著しい影響を及ぼすほどの大きな違いをもたらすかは不明だ」と指摘。「インフレへの影響は一過性で、中長期的なものになるとは見込まれない。われわれが最も懸念するのは経済への影響だ」と語った。

  ダラス連銀の調査担当者は4日のエコノミック・レターで、現在提案されている関税が実施された場合、米国内総生産(GDP)を長期的に0.25ポイント押し下げる可能性があると分析。欧州連合(EU)と中国の双方を巻き込み、さらに広範な輸入を対象とした全面的な貿易戦争となれば、GDPを3.5ポイント下押しする恐れがあるとの推計を示した。

  しかし、もっと差し迫った問題は、米中双方の言動が通商対立をエスカレートさせて金融情勢、特に株価に影響を及ぼすことだ。金融情勢が引き締まれば、投資家はほぼ必ず利上げペースの鈍化を予想することになる。米S&P500種株価指数は過去1カ月で約5%下げている。

  バークレイズの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・ゲーペン氏は、株価下落で不確実性が高まれば、「幾つもの企業やセクターで雇用と事業支出の伸びの全般的な鈍化を目にする可能性がある」と分析。一方で、通商政策変更の影響は、米国で昨年12月に成立した減税や、今年に入ってからの予算合意の効果を上回るほど大きなものでないと見込まれるとして、ゲーペン氏のチームは年内にもう3回の利上げを引き続き予想している。

原題:Fed Sees GDP Hit From Trade War Outweighing Fleeting Inflation(抜粋)

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